自動ブレーキで事故激減 保険料引き下げへ

2016年1月26日 14:36

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記事提供元:エコノミックニュース

損害保険各社は自動ブレーキなど先進的な安全装置を搭載する「先進安全自動車」について、2017年から任意保険料を平均で1割程度割り引く方針を固めた。スバル「アイサイト(ver.2)」は約6割の事故軽減効果が確認されている。

損害保険各社は自動ブレーキなど先進的な安全装置を搭載する「先進安全自動車」について、2017年から任意保険料を平均で1割程度割り引く方針を固めた。スバル「アイサイト(ver.2)」は約6割の事故軽減効果が確認されている。[写真拡大]

 近年、自動車の安全装備が著しい発達を遂げている。交通事故総合分析センターによると、10〜14年にかけて日本で発生した交通事故のうち、自動ブレーキを搭載した富士重工業<7270>のスバル「アイサイト(ver.2)」と、自動ブレーキを搭載していない同車を比較したところ、約6割の事故軽減効果が確認された。追突だけを見ると8割以上も軽減されている。

 こうした性能の向上を受け、損害保険各社は自動ブレーキなど先進的な安全装置を搭載する「先進安全自動車」について、2017年から任意保険料を平均で1割程度割り引く方針を固めた。

 ただし、自動ブレーキは車によって性能が大きく異なる。スバルのアイサイトは現在ver.3が最新となるが、ステレオカメラを刷新し、視野角と視認距離を約4割拡げることで、認識性能の向上を可能にした。さらに、カラー画像化よってブレーキランプの認識も実現している。常に前方を監視し、自動車だけでなく白線やガードレール、歩行者や人までも認識できるのだ。

 一方、軽自動車に搭載されている自動ブレーキは簡易型が主流だ。30km/h以下で走行中に車両に対してだけ機能が働く。

 国土交通省が16年度から自動ブレーキを搭載している市販車を調査し、格付けすることが決まったが、大きな指標となるであろう。

 自動車保険の保険料は、運転者の年齢やノンフリート等級、自動車の使用目的などから事故リスクを分析し、算出される。リスク分析は損害保険料率算出機構が毎年改定・算出する型式別料率クラスにより、過去のデータを分析して自動車の型式別に9段階で評価。過去にも、エアバックはアンチロックブレーキシステムが普及した際、安全性などから型式別料率クラスが見直されたことがある。

 欧米では、自動ブレーキの有無を安全格付けの対象に加え、すでに自動ブレーキ搭載車の保険料を割り引いている国もある。保険料割引によって自動ブレーキへの関心が高まれば、普及拡大、そして交通事故の減少に繋がる。好循環を生み出せるか期待したいところだ。(編集担当:久保田雄城)

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