著書の偽装や査読者偽装という大胆な論文不正行為

2016年1月5日 17:38

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記事提供元:スラド

maia 曰く、 研究論文の不正行為といえば、捏造、改竄、盗用が典型的であろう。早大や東大でも博士号取り消しに至る不正が明るみに出ている(WEBRONZA)。しかし韓国では、他人の研究書の表紙だけすげ替えて出版し、自分の業績にしてしまうという大胆な不正が大量に行われていたそうだ。昨年11月末韓国で大規模な摘発が行われれ、大学教授約200人が立件されたという(中央日報)。

 また別類型の不正として、査読者を偽装するという手口があるという(産経新聞)。これは2012年が初発とされているが、研究雑誌への投稿はピアレビュー(同分野の研究者による査読)が通例で、査読者は匿名が原則と思いきや、投稿者に査読者を推薦させる場合があるらしい。手続きはオンラインで行われるので、無料メルアドで査読者をでっちあげて、実は自分が査読者に成りすますという手口。業者が好意的な査読を著者に販売するビジネスもあるという。

 出版社や原著者ぐるみの不正で、出版社は「在庫処分」のために表紙すり替えを積極的に活用していたという。このような行為は1980年代から続いていたとのことだが、大規模な摘発は今回が初めてだという。

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