動きの映像をもとに、運動技術の習得を支援する技術を開発―筑波大・山際伸一氏ら

2015年11月3日 19:52

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ひじ、ひざ、足首の動きデータに対し、マラソンタイムを色で割り付けると傾向が現れた。データ間距離を使うと、目標とするスキルへの「影響度」を数値化できる。(筑波大学の発表資料より)

ひじ、ひざ、足首の動きデータに対し、マラソンタイムを色で割り付けると傾向が現れた。データ間距離を使うと、目標とするスキルへの「影響度」を数値化できる。(筑波大学の発表資料より)[写真拡大]

 筑波大学の山際伸一准教授らの研究グループは、動きを捉えたセンサーや映像のデータを多数収めた「動きビッグデータ」から、スポーツで目標とする理想の動きへの道筋を教示してくれる技術を開発した。

 人の動きを捉えるセンサーは超小型化・高性能化しており、細かに動きを捉えることが可能になってきた。また、映像からも人の動きを抽出し、3次元座標値を計算から求めるといった手法がハイスピードカメラで実現されている。

 今回の研究では、ミズノが提供するランニングフォーム診断サービス「F.O.R.M.」のビッグデータ(およそ2000人分)を用いて、カメラで捉えた6点の部位の3次元の座標値の動きを解析した。その結果、ひじ、ひざ、足首の動きとマラソン記録の関連の強さを明らかにした。影響度の高い部位がわかれば、映像で確認することで、重点的にトレーニングする場所が特定できるようになる。

 研究グループは、これを「スキルグルーピング」と名付けた。さらに、動きデータを取るだけで、自分のスキルの変遷、習熟者への距離、さらには、道具のフィット感を客観評価することができるようになったため、これまで、映像や本といったメディアでしか得られなかったトレーニングの要となる部分を、その人固有の改善点を示しながら教えてくれる人工知能技術を開発することに成功した。

 今後は、本研究成果を、スポーツトレーニングだけでなく、リハビリテーションのような医療現場におけるケガの治癒段階を判定するコンディショニング、伝統技術の動きのデジタル化による継承支援などに応用できると期待されている。

 なお、この内容は、国際会議「IEEE BigData 2015」で発表された。論文タイトルは、「Skill Grouping Method: Mining and Clustering Skill Differences from Body Movement BigData」(スキルグルーピング技法:スキルの差を身体の動きビッグデータから発見と分類)。

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