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2017年にはライディングロボがロッシを超えるタイムを叩き出す!?
ヤマハのMoToGPマシン「YZF-R1M」にまたがる「MOTOBOT」。まだ体重移動はできないが、アクセル、ブレーキ、ギアチェンジはバイクの改造無しで操作可能。[写真拡大]
東京モーターショー2015(開催期間10月30日~11月8日)のプレスブリーフィングにおいて、ヤマハ発動機<7272>が初公開したのが、ヒト型自律ライディングロボット「MOTOBOT Ver.1」だ。近年、自動車メーカーが盛んに取り組んでいるものの一つに自動車の自動運転技術がある。そのどれもが車自体に改造を施し、人間の苦手とする駐車をサポートしてくれたり、人間に代って車が自動運転してくれるものだ。
それに対して、MOTOBOTは、車両自体には改造を施さずに、ロボットをバイクに乗せ、ロボットが人間と同じように操作し運転するという大きな違いがある。柳社長が「フラッグシップモデルにまたがる未来のライダーを紹介します!」と言っていたが、まさにバイクを操縦できるライディングロボなのだ。
バイクの特徴的な運動特性である、ヨーイングやピッチング、ローリングなど複雑な挙動を高速でコントロールするには、さまざまな制御システムを適切に機能させる必要があり、自動車よりもかなり高度な認知、判断、そして動作、操作が求められる。ではなぜ、ロボットにわざわざバイクを運転させようと思ったのか? 開発を手がけた、ヤマハ・モーター・ベンチャーズ&ラボラトリー シリコンバレー社の代表を務めるHiroshi“Hiro”Saijou氏に話を伺った。
「バイクは操作が難しいとされています。だからこそ、後付けのヒト型ロボットでバイクの自律走行ができれば、マリンジェットやスノーモービルなどのビークル、農業機械やトラックの運転などにも乗せることができ、製品展開や価値創造に応用できると考えたからです。今はまだ、補助輪をつけた5歳児くらいのことしかできません。それに転ばないという制御を重視しているので、これから旋回やスピードコントロールが課題です」
MOTOBOTは、スピード、エンジン回転数、姿勢などの情報を元に、搭載している6個のアクチュエーターで制御し運転操作を行っている。体重は45kgと軽く、これはバイクを操作するという効率化にこだわり関節を減らし、それによってパワー損失も低減でき、結果バッテリーも小型化できたからだという。
ヤマハが掲げるロードマップとしては、2015年度中には最高速度100km/hでの直進走行、スラローム走行、旋回走行を目指し、2017年度には、サーキットで200km/h以上の走行を実現させるそうだ。しかも、バイクレースの最高峰MoToGP(ロードレース世界選手権)で9回ものワールドチャンピオンに輝いている、バレンティーノ・ロッシに挑むという。
今回、MOTOBOTのプロジェクトは、ユーザーと一緒になってやっていきたいという思いから、東京モーターショーで公開したのだが、ヤマハが完成していない状態で製品を一般公開することはすごく珍しいこと。こういったチャレンジスピリットを忘れていない日本メーカーがあることは頼もしいし、ロボットがバイクを運転するといった夢をぜひ会場で見て欲しい。(編集担当:鈴木博之)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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