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理研、ゲノム配列のホモ接合度が身長や認知機能に影響を与えることを明らかに
ヒトゲノムのホモ接合度がヒト形質に与える影響。複数人種・35万人を対象に、ヒトゲノムにおけるホモ接合度がさまざまな形質に与える影響を解析した。ホモ接合度の程度が大きくなるほど、学業達成度・認知機能スコア・身長・呼吸機能(一秒量)といった形質に対して、計測値が小さくなる方向に影響があることが明らかになった。(理化学研究所の発表資料より)[写真拡大]
理化学研究所の岡田随象客員研究員らの共同研究チームが参加する国際共同研究プロジェクト「ROHgenコンソーシアム」は、ヒトゲノム配列におけるホモ接合度の程度が、身長や呼吸機能、学業達成度、認知機能の個人差に影響を与えることを明らかにした。
共通したゲノム配列を父親・母親の双方から受け継いでいる状態をホモ接合といい、ゲノム配列全体に占めるホモ接合の割合をホモ接合度と呼んでいる。血縁関係が近い家系内においてはホモ接合度の程度が大きくなることが知られているが、ホモ接合度の程度がヒトのさまざまな形質にどのような影響を及ぼすかは分かっていなかった。
今回の研究では、コンソーシアムを通じて得られた複数人種・35万人以上のサンプルを用いて、ホモ接合度の程度の個人差と、身体計測値(身長・肥満・ウエスト比)、血液検査値(血糖値・ヘモグロビンA1c値・インスリン値・コレステロール値・中性脂肪値)、生理学検査値(血圧・呼吸機能検査値)、社会学的因子(学業達成度・認知機能スコア)の個人差との関連を解析した。
その結果、ホモ接合度の程度が、身長、呼吸機能(一秒量)、学業達成度、認知機能スコアに対して統計学的に有意な影響を与えることが明らかになった。ホモ接合度の程度が大きくなるにつれて、身長、呼吸機能(一秒量)、学業達成度、認知機能スコアの計測値が共通して小さくなる方向に影響していた。
今後は、ホモ接合度との関連が指摘された形質を対象に、ヒトゲノム配列のどの部分がホモ接合の状態であると影響が大きくなるのかを調べることにより、具体的な感受性遺伝子領域の同定に繋がると期待されている。
なお、この内容は「Nature」に掲載された。論文タイトルは、「Directional dominance on stature and cognition in diverse human populations」。
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