大阪府大、ユーグレナが胃潰瘍を緩和することを明らかに

2015年7月20日 23:18

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胃潰瘍形成範囲の変化を示す図(大阪府立大学の発表資料より)

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 大阪府立大学の中野長久客員教授とユーグレナ社は、微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)の継続摂取が胃潰瘍症状を緩和することを明らかにした。

 胃潰瘍は胃酸によって胃の粘膜が傷つけられることで「びらん」を形成し、痛みや出血を起こす現代病の一つである。

 今回の研究では、通常の食事、ユーグレナ粉末を混ぜた食事、パラミロン(ユーグレナの特有成分)粉末を混ぜた食事、アモルファスパラミロン(パラミロンの結晶構造を壊したもの)粉末を混ぜた食事を2週間経口摂取させたラットを、呼吸ができる状態にして18時間水に浸すことでストレスによる胃潰瘍の形成を誘導した。

 その結果、ユーグレナ粉末、パラミロン粉末、アモルファスパラミロン粉末を混ぜた食事を摂取したラットは、胃潰瘍の形成範囲が抑制される傾向にあることが分かった。

 今後は、ユーグレナや特有成分であるパラミロンの機能性に関する研究をさらに進め、医療分野等への利活用や食材としての付加価値向上を目指すことが期待されている。

 なお、この内容は6月5日に行われた日本ビタミン学会第67回大会で発表され、4月8日には特許出願されている。

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