中国で新しいオヴィラプトル科の恐竜を発見

2015年7月7日 21:35

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フアナンサウルスの標本:(A)全体の写真、(B)手の写真(北海道大学の発表資料より)

フアナンサウルスの標本:(A)全体の写真、(B)手の写真(北海道大学の発表資料より)[写真拡大]

 中国を中心とした日本・韓国・スウェーデンの国際研究チームは、中国南部の江西省に分布する白亜紀末(約8360〜6600万年前)の南雄層から、新属新種のオヴィラプトル科を発見し、これをフアナンサウルス・ガンジョウエンシスと命名した。

 中国南部の江西省に分布する白亜紀末の南雄層では、獣脚類ティラノサウルス科のチアンジョウサウルス、オヴィラプトル科のバンジ、ガンジョウサウルス、ジアングシサウルス、ナンカンギアが発見されている。

 今回の研究では、新属新種のオヴィラプトル科の恐竜を発見し、これをフアナンサウルス・ガンジョウエンシスと命名した。そして、系統解析を行ったところ、フアナンサウルスはインゲニア亜科ではなくオヴィラプトル科であることが判明し、モンゴルから発見されているオヴィラプトル科の恐竜であるシチパチに近縁であることが分かった。

 この研究成果により、中国南部(江西省および広東省)はオヴィラプトル科が世界で最も多様化し栄えた地域であることが明らかになった。オヴィラプトル科は、それぞれ下あごの形が異なるため、食性を微妙に調整することにより多様化を成功させ、アジア広範囲に生息ができたと考えられる。

 なお、この内容は「Scientific Reports」に掲載された。論文タイトルは、「A new oviraptorid dinosaur (Dinosauria: Oviraptorosauria) from the Late Cretaceous of southern China and its paleobiogeographical implications」(中国南部の白亜紀後期から発見された新しいオヴィラプトル科とその古生物地理学における意義)。

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