NEDO、マレーシアで廃水から有用金属を回収する技術の実証実験

2015年6月16日 16:01

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新技術による有用金属回収プロセス例(新エネルギー・産業技術総合開発機構の発表資料より)

新技術による有用金属回収プロセス例(新エネルギー・産業技術総合開発機構の発表資料より)[写真拡大]

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は16日、マレーシア・パハン大学と「金属廃液・汚泥から有用金属を回収し、汚泥を削減する研究開発・実証事業」を共同で開始することに合意し、基本合意書を締結したと発表した。NEDOの国内プロジェクトで開発した技術を活かし、プロジェクトを通じて、日本の中小企業による優れた技術を同国に適用させ普及展開を図る。総事業費は1億9,000万円。

 NEDOによると、マレーシアでは現在、工場から排出される廃液や汚泥は埋立処分されているが、埋立地不足や処分費用の高額化が問題となっており、低コストかつ排出される汚泥量を削減する処理技術の普及が望まれている。

 今回の実証事業では、2009~2013年度のNEDOプロジェクトで開発した有用金属・有害物質の分離・回収システムがマレーシアで適用可能かを実証する。同システムでは、めっき工場等から排出される金属を含有する廃液・汚泥から有用金属を80%以上回収し、最終的な廃棄汚泥量を80%削減できる。

 NEDOは今後、パハン大学との共同研究を通じて、同国の環境問題の解決と日本の中小企業による優れた技術の普及展開に向けた取り組みを進めていくとしている。

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