欧米為替見通し:イエレン・ダッシュボードとレッドライン

2015年6月9日 17:18

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記事提供元:フィスコ


*17:18JST 欧米為替見通し:イエレン・ダッシュボードとレッドライン

本日9日の欧米市場のドル・円は、ギリシャ債務協議と米国の4月の求人労働異動調査(JOLT)に注目する展開となる。

イエレンFRB議長は、利上げの条件として、「イエレン・ダッシュボード」で注視している9つの雇用関連指標がリセッション(景気後退)前の水準を回復することを挙げている。

直近のデータでは、3つだけが回復しているものの、6つは未回復のままとなっており、解雇率と求人率が回復していたものの、退職率と採用率が未回復だった。 本日発表の4月の求人労働異動調査で、退職率と採用率が回復していた場合、6月16-17日の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ開始の可能性がやや高まることになる。

フィッシャーFRB副議長は、米国連邦準備理事会(FRB)で「早めの緩やかな利上げのリスク」と「遅めの急激な利上げのリスク」を比較考量していると述べた。

フィッシャーFRB副議長は、2009年9月、イスラエル中銀総裁として、リーマン・ショック後の世界的な金融緩和から世界の中央銀行に先駆けて、利上げに踏み切った。

フィッシャーFRB副議長は、連邦公開市場委員会(FOMC)で、物価情勢と雇用情勢での「合理的な確信」を念頭に、利上げ開始に向けた舵取りをしているとのことで、市場の利上げ開始予想の9月-12月に反して、6月FOMCでのサプライズに要警戒か。

ギリシャ政府と国際債権団との債務協議では、ツィプラス・ギリシャ首相が、年金などでの「レッドライン」に固執して、「グリグジット(Grexit:ギリシャのユーロ離脱)はユーロ崩壊の始まり」と述べており、6月末の期限に向けたチキンレースが続いている。

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・4月商品貿易収支(予想:-99.50億ポンド、3月:-101.22億ポンド)
・18:00 ユーロ圏・1-3月期域内総生産速報値(予想:+0.4%、10-12月期:+0.4%)
・23:00 米・4月卸売在庫(前月比予想:+0.2%、3月:+0.1%)
・23:00 米・4月JOLT求人件数(予想:504.4万件、3月:499.4万件)
・02:00 米財務省3年債入札(240億ドル)《SY》

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