本格審議入り初日に異例「十分な審議を」要請―民主・枝野氏

2015年5月27日 17:58

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

 民主党の枝野幸男幹事長は26日の衆院本会議に安保法制での質問に立ち、「法案は、形式的には2本ですが、実質は、11本の法案を強引にまとめたもので、その論点は多岐にわたる」とし、政府・与党が今夏までに成立を目指していることに対し「慎重の上にも慎重を期し、期限を定めず、十分な審議がなされることを強く求める」と法案の本格的な審議入りの初日に時間をかけて審議を行うよう異例の要請を行った。

 また昭和15年に反軍演説をした国会議員を当時、296対7の圧倒的多数で除名した事例をとりあげ「民主的なプロセスに基づいていたとしても、いっときの多数が大きく道を誤ることがあり得るというのはヒトラーへ全権委任を議決したドイツの経験だけでなく、わが国自身も、わずか75年前に経験をしている」と指摘。

 枝野幹事長は「民主的に選ばれた多数派といえども、憲法に拘束されるという立憲主義が重要だ」と絶対多数の与党が安保法案を今夏に成立させるために最終、強行採決するような事態がないよう強くけん制した。

 「立憲主義を破壊する法案を数の力で押し切ろうとすれば、議員の除名に賛同した当時の本院議員たちと同様、遠からず歴史に断罪されるであろうことを同僚議員諸氏に強く警告したい」と呼びかけ、法案内容に時間をかけた審議が必要との思いをうかがわせた。(編集担当:森高龍二)

■関連記事
自衛隊員より国民のリスクが高まっている 総理
閣内で統一すべき 安保法案の条文解釈
総理はリスクが高まると認めるところから議論を
党首討論の総理答弁精査したい 民主国対委員長
安保法制の「特別委」衆院に設置

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連記事