ユーロ週間見通し:ギリシャ債務問題に対する懸念残る

2015年5月9日 19:32

印刷

記事提供元:フィスコ


*19:33JST ユーロ週間見通し:ギリシャ債務問題に対する懸念残る

■大幅上昇、ギリシャ債務決着観測とインフレ率下げ止まりで

4月27日-5月8日週のユーロ・ドルは上昇。ギリシャ債務協議が合意間近との観測が高まったことやユーロ圏の4月インフレ率が前年比0.0%で下げ止まったことなどが好感された。投機的なユーロ売りポジションの解消に伴うユーロ買いが観測されており、ユーロは対米ドルで大幅高となった。取引レンジは1.0820ドル-1.1392ドル。

■弱含みか、ギリシャのデフォルト懸念と欧米金利差拡大観測で

今週のユーロ・ドルは弱含みか。ギリシャが債務不履行に陥る可能性が残されていることやユーロ圏と米国の金利差拡大への思惑は後退していないことが要因。ただし、ユーロ圏の1-3月期域内総生産が改善していた場合や11日のユーロ圏財務相会合でギリシャの債務協議が合意した場合、ユーロは底堅い動きを続ける可能性がある。

予想レンジ:1.0900ドル-1.1400ドル

■対円レートは大幅高、ユーロ圏景況感の改善などで一時136円

4月27日-5月8日週のユーロ・円は大幅高となり、一時136円まで買われた。ユーロ圏の4月インフレ率が前年比0.0%で下げ止まったことや4月の製造業PMI改定値が上方修正されたことが好感されたが、ギリシャ債務協議が合意間近との観測が一時高まったことも買い材料となった。取引レンジは129円02銭-136円00銭。

■弱含みか、ギリシャ債務問題に対する懸念残る

今週のユーロ・円は弱含みか。ギリシャが債務不履行に陥るリスクは除去されていないこと、日本の投資家がユーロ建ての債券売却に動いているとの見方が出ていることが要因。ただし、11日のユーロ圏財務相会合でギリシャの債務協議が合意した場合、リスク選好的なユーロ買いが強まる可能性がある。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・13日・3月鉱工業生産(前月比予想:0.0%、2月:+1.1%)
・13日・1-3月期域内総生産速報値(前年比予想:+1.1%、10-12月期:+0.9%)

予想レンジ:131円00銭-136円00銭《TN》

関連記事