サニックス、住友ゴム、任天堂など/本日の注目個別銘柄

2015年5月8日 16:16

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記事提供元:フィスコ


<9983> ファストリ 47120 +15買い先行。前日に発表した4月の月次動向が好感されている。既存店売上高は前年同月比19.3%増、前月の同3.0%減からプラスに転換。中旬からの気温上昇に伴い、夏物の販売が好調に推移したもよう。期初からの累計では、既存店増収率は8.4%増での推移に。回復は期待されていたものの、他の衣料品各社との比較でも伸び率は高く、押し目買いの動きなどにもつながっているようだ。

<9984> ソフトバンク 7354 +125大幅反発。前日にアリババが決算を発表、好決算を受けて株価は大幅高の展開になっており、出資企業として買い進まれる状況のようだ。足元では、スプリントの決算内容などが嫌気されて下げ足を早めていたため、格好の押し目買いのきっかけにつながる。アリババの第4四半期決算は、総取引額の急増で売上高が前年同期比45%増の28.1億ドルとなり、市場予想の27.7億ドルを上回った。

<9831> ヤマダ電機 497 +7買い先行もやや伸び悩む。前日に決算発表、同時にソフトバンク<9984>との資本業務提携が発表されている。今期営業利益は416億円で前期比倍増の見通し、市場予想の340億円レベルを大幅に上回っている。また、ソフトバンクが5%を出資、携帯の拡販や住宅事業の強化を図っていく方針。ただ、期初計画は毎年楽観的な傾向が強いと指摘があるほか、ソフトバンクとの提携はエフィシモの圧力による企業変化の期待後退につながるといった声も。

<4651> サニックス 454 +80ストップ高。前日に業績予想の下方修正を発表、業績懸念の強かった銘柄でもあり、短期的な悪材料出尽くし感が先行する格好のようだ。また、希望退職者の募集、並びに、店舗の統廃合を発表しており、16.3期に年間約26億円程度のコスト削減効果を見込んでいることもポジティブ視。なお、前期営業損益は従来予想の11.6億円の赤字から31.4億円の赤字に修正、2月の下方修正に続き今期3度目の下方修正、期初予想は140億円の黒字であった。

<5110> 住友ゴム 2002 -195下落率トップ。前日に第1四半期の決算を発表、営業利益は121億円で前年同期比34%減と大幅減益になっている。会社計画線上のもようだが、市場コンセンサスは30億円程度下回っている。第1四半期決算時に上方修正が行われることが多かったことで、決算数値は期待外れと捉えられているようだ。新興国でのタイヤ販売の伸び悩みなどが市場想定比下振れの背景に。

<1919> ヤマダS×L 106 +13急伸。ソフトバンク<9984>がヤマダ電機<9831>に出資、ヤマダ電機は住宅事業をソフトバンクのITサービスと組み合わせて強化していく方針のようだ。これに伴い、ヤマダ電機グループで住宅事業を手掛けている同社にはメリット享受への期待感が先行する格好に。株価の値頃感も強く、短期資金の関心が高まっているようだ。

<7974> 任天堂 21155 +1415大幅高。前日に発表した決算が好感されている。前期営業利益は248億円と黒字転換、従来予想の200億円を上回る着地となっている。今期は500億円で前期比倍増の見通し。市場コンセンサスは380億円程度であったため、大幅に上振れる格好へ。Wii Uソフト販売本数の増加、円安メリット、スマホ向けゲームの寄与などが収益拡大の要因に。また、テーマパーク事業への参入なども期待材料視されている。

<3401> 帝人 425 +21前場に決算を発表、その後は上げ幅を広げる展開になっている。前期営業利益は391億円で前期比2.2倍、4月末の上方修正値水準となっている。一方、今期は475億円で同21.5%増益見通し、市場予想を50億円ほど上回る格好に。また、今期は前期比2円増配の年間6円配当を予想している。予想以上の収益改善、株主還元策の拡充を評価する流れとなっている。

<7270> 富士重 4144 +135.5決算発表後は上げ幅を広げる。前期営業利益実績は4230億円で前期比30%増益、従来予想の4100億円を上回っている。今期は5030億円で同19%増益の予想、市場予想の5300億円弱の水準は下回っているものの、先の観測報道数値4900億円前後は上回る格好に。また、期末配当金は従来予想の31円から37円に引き上げている。今期の配当金は未定としているが、配当性向20-40%を基本として決定としていることで、会社計画の純利益をベースにすると86円程度までの引き上げが期待される形。

<6861> キーエンス 62940 -160売り先行。前日に好決算を発表しているが、期待された株主還元の強化やIR姿勢の変化などは見送られる格好になっており、失望感が先行しているようだ。ファナック<6954>の変化を受けて、財務体質が強固な同社などにも連想感がこれまで強まっていた。ファンダメンタルズへの評価は高く、目標株価引き上げの動きなども複数散見されているが、株主還元策に対する市場の関心が強まっている状況下、ネガティブな反応が先行している。《FA》

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