【話題】日経平均の上ザヤ再び拡大

2015年4月26日 22:39

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

■NYダウに対する上ザヤは日本の3度目の量的緩和があるまで続く

 今年2月27日から日経平均がNYダウを上回る、いわゆる「日経平均上ザヤ」が、ほぼ2カ月にわたって続いている。長い間、日経平均はNYダウの下に位置し、NYダウの動きに左右される展開が続いてきた。

 背景には、両国の景気の方向性に大きい違いのあることが大きいとみられる。アメリカは量的金融緩和は終了し金利引上げが接近、米国景気はこれまでの好調から横バイ高原状態が予想される。

 一方、日本はアメリカにならって2度の量的金融緩和(規模約270兆円)を行ったが、効果は今ひとつ。大企業には効果は現れているが、中小企業や地方には量的緩和効果の実感はないといわれる。外国人観光需要と原油安に助けられている面はあるが、原油相場はボトム44ドル(1バレル)から足元では57ドル台まで上昇している。

 「地方まで好景気の恩恵を」という政策公約を実現するためには時期は別としても3度目の量的金融緩和は避けられないものとみられ、日経平均の押し上げ効果となっている。

 しかも、日本のマーケットには外国人投資家に頼らなくても厚生年金基金、国家公民共済、地方公務員共済、教職員共済など合計で株買い余力は10兆円ていどとみられており需給関係は極めて良好である。

 日本の上場企業は、「ROE経営」に目覚め、1株利益、配当など投資価値の向上が続く見通しにある。かつて、10数年前にROEは考えていないと言っていた三菱重工がROE重視に転換しているほどである。

 こうした、日米の景気の方向性の違いと、日本企業が遅れていたROE重視経営に目を向けてきたことで今後も日経平均の上ザヤ状態は続くものとみられる。

 去る、3月25日には日経平均の上ザヤは2027ポイントまで拡大。その後、1500ポイントまでサヤは縮小していたが、週末24日は2095ポイントと再び日経平均の上ザヤ拡大の方向にある。3度目の量的金融緩和が実施するまでは日経平均の上ザヤはいっそう拡大するものとみられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【高見沢健のマーケット&銘柄ウォッチ】金利低下背景にNYダウ最高値更新へ(2015/03/23)
【木村隆の相場展望】海外投資家は、先物市場から現物市場への振替を進める(2015/03/23)
ジャムコはもみ合いも東証1部指定替えの需給好転思惑が底流し下値対応妙味(2015/03/23)
直近増配発表銘柄はファナックのリードに丸三証券の追撃も手伝いエンジン全開を期待=浅妻昭治(2015/03/23)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事