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SDエンター Research Memo(5):全社売上高は21年3月期に150億円を計画
*18:23JST SDエンター Research Memo(5):全社売上高は21年3月期に150億円を計画
■収益倍増に向けた各事業の施策と進捗状況
SDエンターテイメント<4650>は、全社の売上高を2020年度(2021年3月期)に15,000百万円とすることを目指している。2015年3月期予想の7,700百万円から、およそ倍増することになる。前述のようにフィットネス事業の売上高が同期間に2,400百万円から10,000百万円へと増加する計画であるため、フィットネス事業以外は売上高の成長よりも、利益増大のための体質強化に重点が置かれたスタンスとなっていると弊社では考えている(利益目標は現時点では公表されていない)。
全事業に共通の施策として、会員システムの新規開発がある。全事業共通のデータベースであり、さらに健康コーポレーショングループの通販事業との連携、「ディノスアプリ」(下記参照)との連携が図られている。同社は会員システムを通じてリピート率を2.0回/年以上に向上させることを目指している。これによる増収効果は年間60百万円とされている。
また、同社はスマホ向けに「ディノスアプリ」のサービスを開始した。これはユーザーがダウンロードすると毎日「SDメダル」や商品、クーポンなどが獲得できるもので、店舗への来店を誘引するものだ。2015年1月のリリース以来、当初の3週間で2000ダウンロードを記録し、アクティブユーザー率は80%超と、上々の滑り出しとなっている。
(1)GAME事業
2015年3月期のGAME事業は、収益性向上に向けて不採算店舗の閉鎖や経費節減を優先させて行ってきた。2016年3月期(2015年度)は一転して、収入拡大に向けた「攻めの出店」へと大きく舵を切ることを表明している。ゲーム事業は業界全体が低調で、リストラを進めている企業は同社だけではない。そこで同社は、2015年度にはそうしたリストラ物件を取得し、リノベーションを加えて出店する計画を明示している。2015年度には「鉄拳」をはじめとして有望な新機種が供給される見通しであり、新規出店すれば一定の増収効果が出るものと弊社ではみている。カギは期待どおりの物件が手に入るかどうかにかかっている。
スマホの普及などで若年層のゲーム離れが言われて久しいが、同社ではシニア層の取り込みに重点をおいてきた。今後はスマホ向けの「ディノスアプリ」の活用で若年層の取り込みにも注力する方針だ。
(2)ボウリング事業
ボウリング事業は北海道内の施設だけであり、現状は閉店や新規出店といった動きはない。それだけに、日々の集客をどう確保するかという地道な努力が重要だ。2015年3月期第2四半期までのボウリング事業は集客状況が思わしくなく、既存店売上が業界平均を下回る状況だった。その後、第3四半期に入って盛り返し、第4四半期に入っても好調が続いている模様だ。集客増の要因は、所属するプロボウラーの貢献や、各種イベントの開催などが奏功したためと弊社ではみている。「ディノスアプリ」の活用などで同社施設への誘客の仕組みが整いつつあることは、今後の期待につながる。
(3)外国人観光客の集客
同社は北海道を訪れる外国人観光客の誘客にも力を注いでいる。これまでにWebサイトを多言語対応としたほか、台湾在住のパワーブロガーの活用、台湾のSNSの活用、北海道在住外国人を活用した施設の改善点の洗い出しなどの施策を行ってきた。結果としてこの半年で外国人利用者数が3倍増になった施設もあるほどの成功を収めている。外国人の訪問先が札幌にとどまらず道内各所に拡大しつつあるほか、外国人、特に中国人の消費額の多さは群を抜いていることなども考慮して、受け入れ態勢の一層の強化に努める方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《FA》
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