NICT、世界最高出力の深紫外LEDを開発 幅広い分野への展開に期待

2015年4月3日 09:47

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情報通信研究機構(NICT)が新たに開発した深紫外LED素子構造の模式図(写真:NICT発表資料より)

情報通信研究機構(NICT)が新たに開発した深紫外LED素子構造の模式図(写真:NICT発表資料より)[写真拡大]

  • 情報通信研究機構(NICT)が新たに開発した深紫外LEDのナノ光取出し構造として作製されたAlNフォトニック結晶構造(左図)とハイブリッド構造(右図)の走査電子顕微鏡写真(写真:NICT発表資料より)
  • 情報通信研究機構(NICT)が今回開発した深紫外LEDのファーフィールド放射パターンの評価結果。光取出し面に何も加工していないフラット面と比較し、フォトニック結晶構造を付加することで大きく光強度が増加し、ハイブリッド構造にすることで劇的に光強度が増加していることが分かる(写真:NICT発表資料より)

 情報通信研究機構(NICT)は1日、トクヤマと共同で、深紫外波長帯において世界最高出力となる90mW超の深紫外LEDの開発に成功したと発表した。

 深紫外波長帯(200~300nm)で発光する半導体発光ダイオード(LED)は、ウィルスの殺菌や飲料水・空気の浄化、光加工、樹脂硬化、環境汚染物質の分解、食品流通分野、院内感染予防、光線外科治療、種々の医療機器、ICT利用など、幅広い分野で、その応用が期待されている。

 今回、ナノ光構造技術により、深紫外LEDの光取出し効率を大幅に向上させることで、小型・高出力な深紫外LED光源が実現した。開発された深紫外LEDは、最も殺菌性の高い波長265nm、室温・連続動作で、光出力90mWを達成。これまでにない実用上要求される水準を十分に上回る。これにより、殺菌から医療、工業、環境、ICTに至るまで幅広い分野の産業、生活・社会インフラに技術革新をもたらすことが期待される。

 これまでは、既存の深紫外光源として、主に、水銀ランプなどのガス光源が用いられてた。しかし、ガス光源は寿命が短く、発光波長がガスの輝線のみで限定される上、水銀などの人体・環境に有害な物質を含む。また、光源のサイズ、消費電力も極めて大きいことから、その利用範囲は制限されており、代替技術実現への要請が高まっていた。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る

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