新興市場見通し:決算を受けた中小型株物色中心に、ミクシィの動向にも注目

2015年2月7日 15:42

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記事提供元:フィスコ


*15:42JST 新興市場見通し:決算を受けた中小型株物色中心に、ミクシィの動向にも注目

先週の新興市場は、引き続き売買代金が低迷するなか、全体としてはこう着感の強い展開となった。マザーズ指数は直近安値圏まで調整が進んでおり、下値は限定的ながら、回復局面に転じるパワーにも乏しい。決算発表を受けた個別銘柄物色やゲーム関連などへの物色は活発だったものの、値動きの軽い中小型株が中心で、資金の逃げ足の速さも意識された。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.1%であったのに対して、マザーズ指数は-1.2%、日経ジャスダック平均は-0.6%だった。

個別では、サイバーダイン<7779>が週間で1.3%安、オンコセラピー・サイエンス<4564>が同5.9%安、日本通信<9424>が同1.8%安、ガンホー<3765>が同1.2%安と、マザーズ、ジャスダックともに主力銘柄は軟調。決算発表を受けて利益確定売りの膨らんだアドウェイズ<2489>は同18.0%安、第1四半期決算が観測報道水準に届かなかった日本マイクロニクス<6871>は同12.4%安に。また、決算発表に関心が向かったことから、アクセルマーク<3624>、ガーラ<4777>、サイジニア<6031>などでは換金売りが広がった。一方、ミクシィ<2121>は週間で10.0%高となり、マザーズ指数を下支えした。6日に決算発表を控え、期待感から先回り買いも見られた。アクロディア<3823>、アエリア<3758>、メディア工房<3815>などの中小型ゲーム関連株に引き続き物色が向かったほか、BEENOS<3328>、Mipox<5381>など、好業績銘柄も買いを集めた。その他、アール・エス・シー<4664>、山王<3441>、テクノマセマティカル<3787>、北川精機<6327>などが大きく上昇したが、いずれも短期資金主導で値動きの荒さが目立った。

今週の新興市場は、全体としては引き続き直近安値水準でこう着感の強い展開となることが想定される。外部環境への警戒感が払拭されるにはまだ遠く、新興市場でも主力株を中心に軟調な推移が続きそうだ。今後の行方を占ううえで、6日の取引終了後に決算発表したミクシィの動向が注目されよう。

ミクシィの14年4-12月期決算は、営業利益が299.27億円(前年同期は5.09億円の赤字)で着地。また、通期営業利益予想を従来の450億円から500億円に引き上げている。市場コンセンサスでは14年4-12月期が280億円、通期が450億円程度と見込まれていた。また、期末配当を従来予想の49円から56円に増額している。期待感から先回り買いも入っていただけに、利益確定売りが先行する可能性も。ただ、その後見直しが広がれば、マザーズ市場全体の地合い改善も期待されそうだ。

今週の決算発表は、9日にテクノマセマティカル、北川精機、10日にUBIC<2158>、データセクション<3905>、ペプチドリーム<4587>、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>、フィンテック グローバル<8789>、12日にFFRI<3692>、クラウドワークス<3900>、カヤック<3904>、そーせいグループ<4565>、ガーラ<4777>、U-NEXT<9418>、ワイヤレスゲート<9419>、13日にオプティム<3694>、アプリックスIP HD<3727>、アエリア、マークラインズ<3901>、デジタルガレージ<4819>、サイジニア、サイバーダインなどが予定されており、引き続き決算を手掛かりとした中小型株物色が中心となるだろう。また、12日にはKeePer技研<6036>がマザーズ市場に新規上場予定となっている。《TN》

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