鶴見大、玉ねぎに含まれるケルセチンが口の乾燥防止に効果的であることを明らかに

2015年1月31日 19:07

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ケルセチン接種による唾液分泌量の変化を示す図(鶴見大学の発表資料より)

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 鶴見大学の斎藤一郎教授らによる研究グループは、ポリフェノールの一種で玉ねぎ等に多く含まれる「ケルセチン」が唾液分泌を促進させるメカニズムを解明した。

 唾液分泌量が減って口が乾くドライマウスは近年増加傾向にあり、口臭・不快感・虫歯・歯周病・肺炎などを引き起こす。ストレスや更年期障害や筋力低下なども要因であると考えられており、特に中高年は様々な要因により発症することが多いため、効果的な対処法が求められている。

 今回の研究では、玉ねぎやブドウなどに多く含まれているポリフェノールの一種であり、血管拡張作用や血管新生を促進するケルセチンがドライマウスを改善する可能性を調べた。まず、マウスにケルセチンを摂取させたところ、分泌障害の抑制と唾液分泌量の増加が確認された。

 また、細胞株を用いて解析を行ったところ、ケルセチンはAQP5発現やカルシウムの取り込み能といった水分泌に関連する機能を増強させ、分泌障害の原因となる酸化ストレスや炎症反応を抑制することが明らかになった。

 今後は、本研究成果がケルセチンを含む機能性食品開発などに繋がると期待されている。

 なお、この内容は1月28日に「PLOS ONE」に掲載された。

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