城南進学研究社 Research Memo(8):医学部志望生向け「新たな受験塾」を開設

2015年1月26日 18:39

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記事提供元:フィスコ


*18:39JST 城南進学研究社 Research Memo(8):医学部志望生向け「新たな受験塾」を開設
■トピックス:新業態2校開校

城南進学研究社<4720>は中期経営計画の基本戦略の1つに「社会環境の変化に応じた成長戦略の推進」を掲げているが、2015年3月期下期は、そうした基本戦略に従う形で2校の新業態予備校の開設を計画している。1つは医学部受験生を対象とする「城南医志塾」であり、もう1つはAO入試・推薦入試対策専門の「城南AO推薦塾」だ。

(1)城南医志塾

同社は2015年2月に「城南医志塾」を横浜に開校する計画だ。この塾のコンセプトは「知・心・体を兼ね備えた志の高い医師を養成するための受験塾」というものだ。こうしたコンセプトの受験塾開設に至った背景には、医学部合格者のうち、医学部での修学過程でドロップアウトする学生が増加しているという現実がある。

同社では、現役医師、現役医大生、及び予備校講師がタッグを組んで、医学部受験合格に向けた学力を身に付けることにとどまらず、医師としての心構えや使命感など、大学入学後や医師となった後のことも視野に入れて人間教育を行うことを目指している。

弊社では城南医志塾の取り組みは注目に値すると考えている。この塾は親族が開業医などで2代目、3代目の医師を目指す生徒に対して特に有効なのではないかと想像される。また、医学部受験動機は単に学校成績が良いからとか、自分が入れる大学・学部の中でいちばん偏差値が高いからという理由だけで医学部に入学する生徒が一定数いることもよく知られており、こうした生徒に対する啓発効果も期待される。

同社は城南医志塾の経営規模や収益見通しなどについて、詳細は明らかにしていない。しかし講師陣の確保や、授業料がそれなりに高額になると予想されることなどを考えると、多教室展開は難しい業態と言える。まずは横浜校を軌道に乗せることに注力し、その後、需要動向を見ながら状況によっては2校目の開校を考えるという展開になると弊社では推測している。弊社では2016年3月期中の入学者数を20人程度確保できれば初年度としてはまずまずの成果ではないかと考えている。本格的な業績貢献は在籍者数が50人を超えてからになるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《FA》

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