野菜と果物の摂取量を多くすると循環器系疾患の死亡リスクが約3割低下

2015年1月17日 19:02

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野菜と果物の摂取量によって分けたQ1からQ4の4郡それぞれの循環器疾患による死亡リスクを示す図。Q1が最も摂取量が少なく、Q4が最も多い(人間総合科学大学の発表資料より)

野菜と果物の摂取量によって分けたQ1からQ4の4郡それぞれの循環器疾患による死亡リスクを示す図。Q1が最も摂取量が少なく、Q4が最も多い(人間総合科学大学の発表資料より)[写真拡大]

 人間総合科学大学健康栄養学科の研究グループは16日、野菜と果物の摂取が多いと脳卒中や心臓病などの循環器疾患による死亡リスクが低下すると発表した。

 研究によると、野菜と果物を1日に490g程度摂取すると、1日に280g程度しか摂取しない群と比較して、循環器疾患による死亡リスクが28%低下したという。

 研究は、全国から無作為に抽出された30歳から79歳の男女から循環器系の既往歴のある者などを除いた9,112人を1980年から2004年までの24年間にわたって追跡して行われた。内訳は男性4,000人、女性5,112人で平均年齢は50.0歳。

 追跡期間中に823人が循環器系疾患で死亡した。調査対象者を野菜と果物の摂取量で4群に分けたところ、摂取量のもっとも少ない群は1日に275gで、もっとも多い群は652gであった。

 群ごとに循環器疾患での死亡リスクを分析したところ、野菜と果物の摂取量が486gと2番目に多い群の死亡リスクが28%低下、摂取量がもっとも多い群が26%低下していたことが判明した。

 なお、野菜のみ、果物のみの摂取量で比較しても、多く摂取していた群で死亡リスクが低下していた。野菜を1日300g食べる群と170gしか食べない群では、多く食べる群が19%死亡リスクが低下、果物を1日263g食べる群と42gしか食べない群では、多く食べる群が21%死亡リスクが低下していた。

 日本人の食生活では、野菜を漬物で、あるいはしょう油をつけて食べることが多く、野菜摂取が循環器系の疾患に悪い影響を与える塩分摂取量の増加につながっている。そのため、研究グループは塩分摂取を抑えながら野菜を毎食、果物を1日1回食べることを推奨している。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る

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