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東大、極貧栄養状態の地底深部で微生物が生息することを明らかに
瑞浪超深地層研究所用地内に建設された大型地下研究施設のレイアウト図。深度200メートル、300メートル、400メートルの掘削孔から採取した地下水を用いて研究が行われた(東京大学の発表資料より)[写真拡大]
東京大学の鈴木庸平准教授らによる研究グループは、地底の微生物の硫酸呼吸により生じる硫酸の変化を検出し、極貧栄養状態の地底深部において微生物が生息することを明らかにした。
地底は地球上最大の微生物生態系が存在すると考えられているが、掘削によって地上の微生物が混入するために、地下深部の微生物の実態を明らかにするのは困難であった。
今回の研究では、岐阜県瑞浪超深地層研究所で、深度200~400メートルの地下水を地下坑道から採取することで、20種類を越える化学成分の分析を6年間継続した。その結果、花崗岩中で微生物は硫酸を用いて呼吸することで生息していることや、深度と共に硫酸濃度は減少していることが分かった。さらに、微生物活動により放射性核種の移動を抑制する地下水水質が形成されていることも明らかになった。
今後は、深度500メートルまでの地下施設を用いて、花崗岩深部に生息する微生物種を特定し、極貧栄養状態に適応して進化した微生物の全ゲノムを解読して明らかにする予定となっている。
なお、この内容は「PLOS One」に掲載された。
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