【黒澤善行の永田町ウォッチ】与党、衆院選で3分の2以上の議席を維持

2014年12月17日 19:33

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記事提供元:さくらフィナンシャルニュース

【12月17日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

 今週14日、第2次安倍内閣の約2年間の政権運営などをめぐって与野党が争った第47回衆議院選挙の投開票(小選挙区295議席、比例代表11ブロック180議席)が行われた。今回の衆院選では、一票の格差を是正するため、小選挙区定数5議席(山梨、福井、徳島、高知、佐賀)が減った。

 自民党は、291議席(無所属の当選者1名の追加公認を含む)を獲得した。公示前勢力から4議席減らしたが、国会運営で主導権を握ることができる絶対安定多数(266議席)を引き続き単独確保した。議席数に応じて野党に委員長を割り振るのが慣例となっているが、単独で絶対安定多数を確保することで、衆議院常任委員会(17)の委員長職を独占し、全常任委員会の委員職も過半数を送り込むことができる。

 与党では、公明党の35議席(+4議席)を合わせて326議席となり、全議席の3分の2以上を維持した。これにより、参議院で否決された法案などを衆議院で再可決・成立させることができる。

 これにより、安倍内閣の継続が事実上、確定した。安倍総理は、15日、谷垣幹事長ら自民党執行部を留任させる意向を表明した。また、山口・公明党代表と党首会談を行って、連立政権の継続を確認のうえ、与党としてめざすべき政策の優先事項を列挙した連立政権合意文書に署名した。アベノミクス推進による経済再生や、地方創生や女性活躍などへの取り組み、軽減税率を消費税率10%へ引き上げる2017年度から導入することをめざすなど、8項目19点の政策を優先事項としている。【了】

 黒澤善行(くろさわよしゆき)/愛知県春日井市生まれ。立命館大学政策科学部卒業、立命館大学政策科学研究科博士前期課程修了。毎日新聞社「週刊エコノミスト」記者、衆議院議員政策スタッフ、シンクタンク2005・日本(自民党系)研究員などを経て、従来の霞が関の機能を代替できる政策コンサル産業の成立を目指す株式会社政策工房の主任研究員に就任。主著に『できる総理大臣のつくり方』(春日出版、共編著)『ニッポンの変え方おしえます―はじめての立法レッスン』(春秋社)がある。政策工房Public Policy Review(http://seisaku-koubou.blog.jp)より、著者の許可を得て転載

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