【日経平均】OPEC総会原油減産見送りで安定し211円高

2014年11月28日 21:31

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記事提供元:エコノミックニュース

 27日のアメリカ市場は感謝祭(サンクスギビングデー)の祝日で休場。28日朝方の為替レートはドル円118円近辺、ユーロ円147円近辺でユーロが安くなっていた。

 シカゴCMEも感謝祭で休場したが時間外取引では17295円。月末の金曜日なので取引時間前に国内経済指標がまとめて発表された。10月の労働力調査は失業率は3.5%で9月から0.1ポイント改善、有効求人倍率は1.10倍で9月から0.01ポイント上昇して4ヵ月ぶりに改善し、市場予測より良かった。家計調査の二人以上世帯の実質消費支出は-4.0%で7ヵ月連続のマイナスだが市場予測より良かった。10月の全国消費者物価指数(CPI)は+2.9%で17ヵ月連続プラスになり市場予測と同じ。11月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)は+2.4%で19ヵ月連続プラス。10月の鉱工業生産指数速報値は+0.2%で市場予測の-0.6%を大きく上回った。11月予測値は+2.3%。10月の商業販売統計の小売業販売額は+1.4%。既存店ベースで百貨店は+0.2%、スーパーは-0.1%、コンビニは+1.1%で、新規開店が多いコンビニは全店ベースの+6.0%とのギャップが大きい。麻生財務大臣は「消費関連の指標が弱い」とコメントしていた。

 ウィーンのOPEC(石油輸出国機構)総会は減産見送りと決めて原油安がなお続きそうな情勢の中、「利益確定売りの金曜日」だが「ドレッシング買いの月末」でもある日の日経平均は91.66円高の17340.16円と反発して始まる。TOPIXもプラスでスタート。午前9時2分に17330円まで凹むが、すぐ急上昇して9時台は17350~17390円のレンジで動く。10時を回ると一段高で17400円台に乗せる。為替のドル円も118円台に乗っていた。上海はプラスとマイナスの間で乱高下し香港はマイナスで始まるが、日経平均は10時37分に17439円の高値をつける。その後もおおむね17400円台前半の水準を維持し、前引けは17406円だった。

 後場は少し高く再開し、為替がなお円安に振れ午後1時を回ると17450円にタッチ。1時台は17450円前後で安定した値動きをみせ、2時台には一段高し2時17分に17471円の高値をつける。月末最終営業日で投資信託のリバランス買いも入っている模様。10月の新設住宅着工件数は前年同月比-12.3%で8ヵ月連続マイナスでも株価は反応なし。17400円台後半の安定した動きは終盤も変わらず、終値は211.35円高の17459.85円で3日ぶりに反発し、2勝2敗、前週末21日終値から102.34円のプラスで今週の取引を終えた。解散・総選挙に揺れた11月は10月31日終値から1046.09円も上昇して終了。日中値幅は141円。TOPIXは+18.44の1410.34で高値引けして3日ぶりに反発。売買高は23億株、売買代金は2兆2815億円だった。

 東証1部の値上がり銘柄数は1390で全体の75%を占めた。値下がり銘柄数は345。33業種別騰落率は30業種が上昇し3業種が下落。プラスセクター上位は空運、海運、ゴム製品、保険、輸送用機器、銀行など。プラスセクター下位は鉄鋼、ガラス・土石、食料品など。マイナスセクターは鉱業、石油・石炭、パルプ・紙だった。

 日経平均採用225種は値上がり186銘柄、値下がり33銘柄。プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で+22円。2位は中国関連のダイキン<6367>で+12円。マイナス寄与度1位は千代田化工建設<6366>で-2円、2位は日揮<1963>で-1円とプラント大手が入っていた。

 銀行セクターは珍しく業種別騰落率6位と上位に入っていた。メガバンクはみずほ<8411>2.8円高、三菱UFJ<8306>16.1円高、三井住友FG<8316>47.5円高。野村HD<8604>は5.5円高だった。

 国内乗用車8社の10月の国内生産台数は7.1%減で4ヵ月連続マイナス。減少幅は8月、9月より拡大し4月以降で最大。マイナス幅が2割を超えて最大の三菱自動車<7211>は2円高。2番目のホンダ<7267>は59円高。マイナスのトヨタ<7203>は167円高で年初来高値更新。日産<7201>は6.5円高、マツダ<7261>は49.5円高、ダイハツ<7262>は1円安。プラス組の富士重工<7270>は今期のROEが2期連続で30%を超える公算大と報じられ158.5円高、スズキ<7269>は66円高。海外生産は8社合計1.6%増で、マツダ、トヨタ、日産、富士重工がプラス。世界生産台数は8社合計1.5%減で1年2カ月ぶりマイナス。輸出はスズキ、三菱自動車、富士重工がプラスだが8社合計2.6%減で11カ月連続のマイナス。

 自動車部品関連ではデンソー<6902>が、ブレーキ開発・生産部門を同じトヨタ系のアイシン精機<7259>の子会社アドヴィックスに集約すると報じられ、デンソーは58円高、アイシン精機は170円高。渦中のタカタ<7312>は中間配当が無配になるニュースもあり9円安だった。

 電機大手はソニー<6758>が100円高、パナソニック<6752>は19.5円高、東芝<6502>は10円高、日立<6501>は10.5円高で、以上4銘柄は年初来高値を更新。シャープ<6753>は3円高、NEC<6701>は4円高。半導体、液晶工場向けガス供給システムを手がけるジャパンマテリアル<6055>は一時ストップ高の217円高で年初来高値を更新し値上がり率1位になった。

 川内原発の再稼働は2月以降にずれ込む公算と報じられたが九州電力<9508>は27円高。関西電力<9503>は前日の大津地裁による高浜、大飯両原発の再稼働差し止め仮処分申請却下を受け、年内がメドだった電気料金再引き上げの判断を年明けに先送りすると報じられ32円高。原発再稼働と電気料金値上げは依然として交換条件。

 高機能繊維の増産や付加価値品の製造に今後5年で約200億円を集中投資する帝人<3401>は10円高。東京製綱<5981>は18円高で年初来高値を更新し値上がり率5位。資生堂<4911>は株主優待制度を変更して28円高。1000株以上を1年以上保有する株主は好きな製品が選べるようにした。ニチレイ<2871>は2015年2月から冷凍食品を3~18%値上げと発表し6円高になった。

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