従来とは異なる作用機序を持つ睡眠薬が登場

2014年11月28日 15:51

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 MSDは、従来の睡眠薬とは作用機序の全く異なる睡眠薬「ベルソムラ」を11月26日、発売した(ニュースリリース朝日新聞)。

 従来の睡眠薬は、催眠鎮静を司るGABA受容体に作用し睡眠を促していた。いっぽう、ペルソムラは1998年に櫻井武(現金沢大学教授)らが発見した覚醒を司る物質「オレキシン」の受容体をブロックすることにより睡眠を促す。

 作用機序が全く異なるため、従来の睡眠薬の副作用とされていたハングオーバー(翌日まで眠気やふらつきが残ってしまう)やリバウンド(長期に使用していた場合、急に服薬を中止すると不眠がひどくなる)が起こらないという。

 あと3時間しか眠れない! だけどモニター見すぎて興奮して眠れない! という場合、従来の睡眠薬では超短時間型でもハングオーバーしていたが、はたしてベルソムラはデスマーチの福音となるのだろうか。

 ただし副作用がゼロというわけではなく、第3相国際共同試験では傾眠(4.7%)や頭痛(3.9%)、疲労(2.4%)などが確認されたとのこと(日経メディカル)。動物実験ではナルコプレシーも確認されたが、臨床試験では見られなかったという(ミクスOnline)。そのため、「本剤の作用機序から想定される異なる潜在的なリスクについて十分な注意が必要」とされている。

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