東北大、地球内部のマグマは深くなるほど「暗く」熱を伝えにくいことを明らかに

2014年11月13日 16:44

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マントルの底から発生する巨大高温マントル上昇流(スーパーホットプルーム)の模式図(東北大学の発表資料より)

マントルの底から発生する巨大高温マントル上昇流(スーパーホットプルーム)の模式図(東北大学の発表資料より)[写真拡大]

 東北大学の村上元彦准教授らによる研究グループは、地球内部のマグマは深くなればなるほど色が「暗く」なり、従来予想されていたよりもずっと熱を伝えにくくなることを明らかにした。

 地球のマントルの底には、地震の波の伝わる速さが異常に遅くなる領域があることが知られており、マントルの底に重いマグマが存在している可能性が指摘されている。しかし、マントル深部に相当する極限超高圧条件における実験は極めて難しいため、これまでどの研究グループも実験に成功していなかった。

 今回の研究では、マントル底部に存在すると言われている重いマグマと同じ成分に、マントル深部に相当する80万気圧をかける実験を行った。その結果、圧力を上げるに従って試料の色が著しく「暗く」なることが分かった。物質が持つ色は熱の伝わり方を示す指標となっており、一般的に物質の色が暗くなると熱は伝わりにくくなる。

 今後は、本研究成果によって核からマントルへの熱輸送特性やスーパーホットプルーム(高温マントル上昇流)などの解明が進められると期待されている。

 なお、この内容は11月11日に「Nature Communications」に掲載された。

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