29年目を迎えるクリエイティブの祭典「TOKYO DESIGNERS WEEK」

2014年10月25日 21:24

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記事提供元:エコノミックニュース

 秋は注目度の高いイベントが目白押しの季節だが、中でも芸術の秋にふさわしいものとして「TOKYO DESIGNERS WEEK」(10月25日~11月3日・明治神宮外苑絵画館前他・主催:DESIGN ASSOCIATION NPO)が開催される。

 毎年秋に東京・青山で行われるこの「TOKYO DESIGNERS WEEK」は企業やデザイナー、アーティスト、学生による優れたデザインとアートが世界中から集まる展示会だ。開催29年目を迎える今年、掲げるテーマは「CREATIVE Fes」。デザイン展示会からデザインフェスへという思いが込められている。デザインのみならず、アートやミュージック、ファッションを柱にした20以上の様々な趣向を凝らしたコンテンツが10日間に渡って繰り広げられる、まさにクリエイティブの祭典なのだ。

 例えば、企業の展示として目を引くのは、昨年「食からつながる健やかな暮らし・おいしい365日」を展示して好評だった積水ハウスが、今年は同社のブランドビジョン「SLOW&SMART」を具現化する新たな暮らし方提案として、体験型コンセプトモデル空間「みどりとわたしの暮らし展」を出店する予定だ。緑を取り入れた生活空間というだけでは、それほど珍しくないように思えるかもしれない。しかし、一筋縄でいかないのが、「TOKYO DESIGNERS WEEK」の面白いところ。今回の積水ハウスの展示でも、緑と住まいという理想的でオーソドックスな住環境のテーマを軸に置きながら、古来から薬草・香草として人間の暮らしの役に立ってきたハーブという素材に着目し、五感を刺激するハーブが様々なかたちで心と体を癒してくれる生活シーンを提案するという、これまでにない展示になりそうだ。

 また、「シマト工業×znug design」の自転車タクシーも興味深い。同社の自転車タクシー最大の特長は、ボディに防水段ボールを採用した点だ。これまで主流だったFRP製並みの十分な耐久性を持ちながらも、リサイクル可能だという。デザイン性の高い素材感だけでなく、効率のよい電動アシスト装置を搭載して、乗員2人をゼロエミッションで快適に運ぶことができる実力の持ち主で、自動車だけに頼らない、人にも街にもやさしい都市交通の「古くて新しい」あり方をデザインする。2020年の東京オリンピックも視野に入れているというから、今後の展開も楽しみだ。

 企業や団体の展示の他にも、建築家のアイデアが集約された提案書と、そのアイデアを具現化した建築模型を同時に展示する「建築模型とその提案書展」や、安野モヨコや葛西薫など「北斎漫画」にインスパイアされた様々なジャンルのトップクリエイター53名が競演する「北斎漫画インスパイア展」、30歳以下の若手クリエイターが参加する「ヤングクリエイター展」、さらにTDW初のクラウドファンディング企画「スーパーロボット展」など、開催期間の10日間毎日通っても回りきれないほどの、盛りだくさんの催しが予定されている。

 インターネットの普及によって、あらゆる世界のボーダレス化が急速に進んでいる。国境やジャンルを越えて融合し、化学反応を見せる最先端のデザインの祭典。業界関係者や大人たちだけでなく、日本の未来を担う子供たちにもぜひ観て、触れてほしいイベントだ。(編集担当:石井絢子)

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