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東大、最悪性脳腫瘍細胞が腫瘍を作る仕組みを明らかに
最悪性脳腫瘍「グリオブラストーマ」が腫瘍をつくる仕組みを示した図(東京大学の発表資料より)[写真拡大]
東京大学の秋山徹教授・高井弘基大学院生(博士課程)らによる研究グループは、最悪性脳腫瘍「グリオブラストーマ」のDNAには5hmC(5-hydroxymethylcytosine)と呼ばれる目印が多く存在し、これが脳腫瘍が作られるために必須であることを明らかにした。
私たちの身体は約60兆個の細胞で形成されており、細胞にあるDNAに異常が起きるとがん細胞化すると考えられている。近年の研究で、少数の細胞が特に強い造腫瘍能を持っていることが分かっており、その細胞を「がん幹細胞」と呼んでいる。
今回の研究では、最悪性の脳腫瘍「グリオブラストーマ」のDNA解析をおこない、脳腫瘍細胞のDNAには正常な細胞の約2~100倍にも及ぶ大量の5hmCが存在することが分かった。、また、5hmCにはCHTOP-methylosomeと呼ばれるタンパク質複合体が結合しており、CHTOP-methylosomeが遺伝子の周囲に存在するヒストンをメチル化することで、がん遺伝子を活性化していることを明らかにした。
今後は、本研究成果を応用して最悪性脳腫瘍の新しい治療方が開発されると期待されている。
「グリオブラストーマ」は、脳の機能的部位に生じる腫瘍のうち約52%を占め、「膠芽腫(こうがしゅ)」とも呼ばれる。予後が悪く、一年後生存率は約50%程度に留まり、五年後生存率は7.8%と非常に低い。WHOによる脳腫瘍の分類では、最悪性とされるgrade IVに分類されている。5hmCは、DNAを構成する塩基(A:アデニン、T:チミン、G:グアニン、C:シトシン)のうち、シトシンがTETと呼ばれる酵素によって酸化されたもの。
なお、この内容は10月2日に「Cell Reports」オンライン版に掲載された。
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