JAXA、人工衛星「大地2号」で噴火後の御嶽山を緊急観測

2014年10月1日 17:31

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御嶽山山頂付近の噴火前後の比較画像(左:噴火後 画像 右:噴火前 画像)。黄色で囲まれた部分に噴火前には無かった窪地が認められる(JAXAの発表資料より)

御嶽山山頂付近の噴火前後の比較画像(左:噴火後 画像 右:噴火前 画像)。黄色で囲まれた部分に噴火前には無かった窪地が認められる(JAXAの発表資料より)[写真拡大]

  • 御嶽山山頂の降灰堆積(紫に見えるところ、JAXAの発表資料より)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、9月27日に噴火した御嶽山の様子を人工衛星「だいち2号」で緊急観測し、噴火によって発生した窪みや降灰堆積の様子を捉えることに成功した。

 「だいち2号」は平成26年5月に打ち上げた陸域観測技術衛星で、今回はJAXAと防災関連機関との間の災害に関する衛星情報提供協力の枠組みによって緊急観測がおこなわれ、取得したデータを噴火前後の地形変化や降灰状況の確認などのために提供した。

 「だいち2号」に搭載されたLバンド合成開口レーダでは、Lバンド(1.2GHz帯)という波長が長い電波で観測をするため、噴煙を透過して山頂付近の火口の様子を捉えることができた。また、噴火前後の山頂部を同じ軌道から観測した画像の変化を抽出したデータも公開されており、山頂の火口周辺に降灰堆積が多く分布することが推察される。

 JAXは、引き続き防災関連機関と連携しながら、御嶽山の観測を継続することを計画している。

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