理研、頭皮の毛根細胞を精神疾患の診断補助に利用できることを明らかに

2014年9月16日 00:20

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毛根細胞の解析方法を示した図。髪の毛を根元から引き抜き、毛根の細胞を溶かしてRNAを抽出。その後、目的の遺伝子の発現量を測定する(理化学研究所の発表資料より)

毛根細胞の解析方法を示した図。髪の毛を根元から引き抜き、毛根の細胞を溶かしてRNAを抽出。その後、目的の遺伝子の発現量を測定する(理化学研究所の発表資料より)[写真拡大]

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  • 外胚葉の分化を示す図。脳と毛根の細胞は、同じ外胚葉由来の細胞から発生する(理化学研究所の発表資料より)
  • 統合失調症の毛根細胞における遺伝子発現解析を示す図。統合失調症患者の毛根細胞では、対照群の毛根細胞に比べてFABP4遺伝子の発現量が低下していた(理化学研究所の発表資料より)

 理化学研究所は、ヒトの頭皮から採取した毛根の細胞には脳の細胞と共通する遺伝子が発現しており、統合失調症などの精神疾患の早期診断を補助するバイオマーカー(特定の病気の存在や進行を知るために用いられる生体由来の指標)として利用できる可能性があることを明らかにした。

 統合失調症は国内の総患者数が71万3000人と推定されており、自閉症も年々増加の一途をたどっている。これらの精神疾患は脳に何らかの変調が生じていると考えられているが、これまで非侵襲的かつ簡便な方法で信頼性の高いバイオマーカーは存在しなかった。

 今回の研究では、統合失調症患者群52名、対照群62名を含む「探索」サンプルグループと、統合失調症患者群42名、対照群55名を含む「再現」サンプルグループに分け、それぞれの頭皮の毛根細胞から遺伝子の発現変化を調べた。その結果、感度71.8%、特異度66.7%、陽性的中率60.9%、陰性的中率76.6%と、高い感度で統合失調症を検出できることが分かった。

 今後は、さらなる検証を進めることで、精神疾患の予防法開発や早期治療導入の判定、そして新しい創薬のヒントを提供できる可能性があると期待されている。

 なお、この内容は9月11日に「Biological Psychiatry」オンライン版に掲載された。

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