【株式評論家の視点】日立マクセルは再上場から6ヶ月、「寄付き天井」をそろそろ払拭へ

2014年9月14日 12:19

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<銘柄の見所>

  日立マクセル <6810> は、本年3月18日に東証1部に再上場してから約6カ月が経過、この間、高値1980円(3月18日)、安値1650円(4月1日)という株価評価である。週末12日は1782円と、未だ3月高値を抜けず寄り付き天井となっている。

  同社は、エネルギー、産業用部材料および電器・コンシューマー製品の製造・販売を行っている。足元の業績は、今3月期第1四半期売上高が358億70700万円(前年同期期比22.0%増)、営業利益が7億5900万円(同77.3%増)、経常利益が5億7300万円(同27.4%減)、純利益が4億5100万円(同51.1%減)に着地。リチウムイオン電池の受注低迷、国内コンシューマー市場での払い出し鈍化など低調に推移したものはあるものの、昨年7月の光化学部品やプロジェクター関連事業の承継などにより売上高は増加。承継事業による増益効果に加えて引き続き原価低減が奏功し営業増益。為替差損の計上が響き経常減益。有価証券売却益など特別利益の計上がなくなり純利益も減益。

  通期業績予想は、売上高が1670億円(前期比12.5%増)、営業利益が85億円(同15.6%増)、経常利益が81億円(同0.4%増)、純利益が67億5000万円(同9.2%減)を見込んでいる。年間配当は未定としている。同社は、今後の成長が期待される自動車、住生活・インフラ、健康・理美容の成長3分野をはじめとするさまざまな分野でユニークな技術を活かした特徴ある製品・サービスを強化していくとともに、資本効率性の向上に努め、中期的にはROE8%の経営指標を掲げており、中長期で注目される。

  株価は、3月18日に上場来の高値1980円と買われた後、4月1日に上場来の安値1650円と調整。8月11日安値1680円と売り直されて二番底を確認し9月11日高値1800円と上昇している。同社は、光学部品・イメージング製品やセンサー用バッテリー、機能性部材料など、これまでにグループ内で培ってきた各ユニーク技術を活用することにより、さらなるシェアの拡大を図っているが、特に車載用カメラやタイヤ空気圧監視システム向け耐熱コイン形リチウム電池などを重点分野への取り組みが注目される。中でも車載用カメラは、米国で後方確認カメラなどの搭載が義務付けられる見通しのほか、走行時の白線認識など先進安全用途での搭載数も拡大が予想されており、車載用カメラが今後収益に寄与することが期待される。PBR0.88倍と割り負けしている。上場から6ヶ月、全般相場の盛り上がりから高値更新も見込めそうだ。(株式評論家・信濃川)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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