九大、燃料電池に必要な白金の使用量を10分1に コスト削減に貢献

2014年9月9日 13:22

印刷

今回の研究では、白金粒径と密度を低減させることで白金表面を有効活用している。写真は、九州大学の発表資料より。

今回の研究では、白金粒径と密度を低減させることで白金表面を有効活用している。写真は、九州大学の発表資料より。[写真拡大]

 九州大学の中嶋直敏教授らによる研究グループは、白金の粒径と付着密度を低減することで、燃料電池に用いる白金の使用量をこれまでの10分の1に削減することに成功した。

 燃料電池は、クリーン・エネルギー効率が高い・コンパクトといった利点があるものの、触媒として必要な白金の価格が高価であるという課題があった。

 今回の研究では、燃料電池中の白金は表面のみ作用しているという点に注目し、粒径を小さくしたりカーボンナノチューブでコーティングしたりすることで表面積を広げ、使用量を従来の10分の1にまで減らすことができるようになった。

 本研究によって作られた白金触媒は粒子間距離が大きいため電池の寿命が伸びる可能性もあり、5年後の実用化を目指している。

 なお、この内容は9月5日に「Scientific Reports」で公開された。

関連記事