【木村隆のマーケット&銘柄観察】住友重機械工業は建設機械の好調続く、中国依存も低下

2014年9月8日 12:22

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  住友重機械工業 <6302> の好業績が注目されそう。今2015年3月期の第1四半期の業績は営業利益60億8900万円と、前年同期比4.5倍増益を達成した。これを受けレーティングの引き上げ、レーティング最上位継続、目標価格の引き上げなどが相次いでいる。アナリストの評価の高まりにつれ、市場人気も高揚しており、なお新値追いの場面が見られそう。

  建設機械における排ガス規制強化および消費増税の駆け込み需要の反動減が懸念材料だったが、第1四半期の国内販売台数は前年同期を上回った。建設機械の国内向け販売が落ち込まなかったのは、復興関連工事に加えて東京オリンピック関連で関東地方を中心に様々な都市計画が立案されている。その一方で人手不足が深刻化。作業の効率化を進める上でも重機類の需要が発生しているようだ。

  半面、中国での販売が足踏みの状態となっている。北米や欧州など他の地域では伸びている。会社側は中国の販売計画を下方修正したが、北米を上方修正したため年間の販売計画1万台(前期は1万297台)を変更しなかった。これまで中国の建機市場縮小の影響を受け苦戦したが、他の地域が拡大し中国への依存度が低下してきたため、中国リスクは低下している。

  精密機械はスマートフォン向けに足元好調な射出成形機のほか、環境・プラントも好調。CFBボイラは主に自家発電に用いられる規模だが、国内では再生可能エネルギーで発電した電力のFIT(固定価格買取制度)で需要が高まっている。海外でもバイオマスや利用価値の低い褐炭などを燃料として利用可能な点が注目されつつあるようだ。

  これら各部門の好調により、今3月期の営業利益は会社側見通しの370億円を上回る390億円(前期343億円)に達するとの見方が強くなっている。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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