JAPANESE STANDARD、サントリーウイスキー『白札』復刻ボトル

2014年8月28日 23:01

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記事提供元:エコノミックニュース

『サントリーウイスキーホワイト・デザイン復刻版〈白札〉』は数量限定品。容量は550ml、アルコール度数40%、希望小売価格1000円、10月21日発売開始

『サントリーウイスキーホワイト・デザイン復刻版〈白札〉』は数量限定品。容量は550ml、アルコール度数40%、希望小売価格1000円、10月21日発売開始[写真拡大]

 鳥井信治郎。1879年、大阪の両替商・米穀商の次男として生まれ、13歳で薬問屋に奉公し、商品として扱っていた洋酒についての知識を習得。1899年、鳥井商店(現在のサントリー)を創業する。「鳥井の鼻」と呼ばれるほどの天与の鋭い臭覚を活かし、「赤玉ポートワイン」「サントリーウイスキー」などのヒット商品を世に送り出す。早くから「広告の天才」の異名をとった宣伝の天才でもあった。

 1923年にウイスキーづくりを開始した創業者・鳥井信治郎が、国産ウイスキー第1号として1929年に発売したウイスキーが、『サントリーウイスキー白札』だ。1964年に名称を『サントリーウイスキーホワイト』に改称し、発売以来85年にわたって多くのウイスキーファンに愛され続けてきた、ジャパニーズ・ウイスキーの原点といえる。

 『白札』の生まれ故郷である、山崎蒸溜所は1923年に建設された。そこでのウイスキーづくりは、鳥井信治郎のこだわりが詰まっている。氏はスコッチ製造法に関する文献から、蒸溜所の立地の重要性を学んでいた。良いウイスキー原酒は良い水が生み、その熟成には良い自然環境なしにはあり得ない。

 その確信をもとに、全国の候補地から選ばれたのが京都郊外の山崎だった。山崎は北に天王山を背負い、対岸の男山をはさんで桂川、宇治川、木津川が合流する。三川の水温が異なる上に、大阪平野と京都盆地が接する、狭まった自然の関門にあるため霧が発生しやすい……。ウイスキーの熟成に最適な場所なのである。

 また、山崎の地は、昔から名水の里として知られていた、室町の時期にも山崎宗鑑が、その水でお茶をたてた。この山崎の水を広く知らしめたのは、戦国時代のわび茶で知られた茶聖と呼ばれる千利休である。利休は山崎に茶室「山崎屋敷」を構え、その茶室待庵(国宝)が今も現存している。千利休は、山崎の竹林から湧き出る山崎の水で茶をたてた。山崎の水は硬度94度で、これは軟水の中でも比較的硬度が高い。味わいは「柔らかく、ほのかに甘い」と表現され、それはモルトウイスキー「山崎」を形容する風味と同じだ。

 今回の『サントリーウイスキーホワイト・デザイン復刻版〈白札〉』は、長年にわたってホワイトを愛したウイスキーファンに向けて、中味はそのままに、1929年発売当時のデザインを再現し、数量限定で発売する。「白札」の愛称で親しまれていた白地のラベルに、壽屋(発売当時のサントリーの社名)を支えた「赤玉ポートワイン」のシンボルマークを施している。

 限定数量については公表していないが、ボトル容量は550ml、アルコール度数40%、希望小売価格1000円、10月21日発売開始となる。(編集担当:吉田恒)

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