名大、植物の受精時のカルシウム濃度変化を観察することに成功

2014年8月27日 14:55

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シロイヌナズナの花、重複受精の模式図と体外重複受精系を示す図(名古屋大学の発表資料より)

シロイヌナズナの花、重複受精の模式図と体外重複受精系を示す図(名古屋大学の発表資料より)[写真拡大]

  • 卵細胞の受精に伴うカルシウム濃度変化を示す図(名古屋大学の発表資料より)

 名古屋大学の東山哲也教授らによる研究グループは、植物の受精に伴う細胞内のカルシウム濃度変化を観察することに成功した。

 細胞内のカルシウム濃度変化は、細胞内でシグナル伝達が起こっていることを示す重要な指標であり、動物の受精に伴う卵細胞のカルシウム濃度上昇は詳しく解析されているが、植物に関しては明らかになっていなかった。

 今回の研究では、体外重複受精技術、ルシウム濃度を検出できる蛍光たんぱく質、胚珠内を高速かつ高感度に撮影できる顕微鏡システムという3つを組み合わせることで、花粉管の精細胞放出と卵細胞の受精の際にカルシウム濃度が上昇することが分かった。

 今後は、カルシウム濃度上昇の生理的意味を明らかにし、いまだに多くの謎に包まれれている植物の重複受精の仕組みを解明することに繋がると期待されている。

 なお、この内容は8月22日に「Nature Communications」のオンライン速報版に掲載された。

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