欧米為替見通し:プーチン露大統領の夏の決断

2014年7月29日 17:20

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記事提供元:フィスコ


*17:20JST 欧米為替見通し:プーチン露大統領の夏の決断

本日29日の欧米市場のドル・円は、地政学的リスク(ウクライナ・中東)への警戒感が高まる中、29-30日の連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて上げ渋る展開が予想される。

米国と欧州連合による対ロシア制裁強化により、ロシアの企業や金融機関は資金調達の道を閉ざされつつあり、国家もユコス関連の賠償金500億ドルの支払いを命じられた。

かつてフランスから巨額な賠償金支払いを科されたドイツは、フランスと戦火を交えることを決断。アメリカからドル建て資産の凍結、ドル決済の停止、原油供給の道を閉ざされた日本は、アメリカと戦火を交えるという決断に追い込まれた。

プーチン露大統領の側近が、ヨーロッパで戦争が始まろうとしている時に、500億ドルなんて問題ではない、と述べたと報じられており、プーチン露大統領の夏の決断に警戒することになる。

ドル・円のテクニカル分析では、抵抗帯である一目均衡表の雲(101円90-91銭)を上抜けたものの、200日移動平均線(102円06銭)が上値を抑えている。しかしながら、安倍トレード(日本株買い・円売り)の片輪である日経平均株価が、ネックラインを上抜けて上昇トレンドへの助走を始めつつあることで、ドル・円も連れ高に推移する可能性が高まりつつある。

29-30日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、100億ドルのテーパリング(量的緩和縮小)(350億ドル⇒250億ドル)が決定されることは織り込み済みであり、イエレンFRB議長の会見が無いことで、重要な金融政策の変更は予想されていない。しかしながら、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で出口戦略が協議され、7月のイエレンFRB議長の議会証言でタカ派的な見解が示唆されたことで、タカ派による反対票を見極めることになる。

【今日の欧米市場の予定】

20:00 南アフリカ・4-6月期失業率(予想:25.4%、1-3月期:25.2%)
22:00 米・5月S&P/ケース・シラー住宅価格指数(前年比予想:+9.95%、4月:+10.82%)
23:00 米・7月消費者信頼感指数(予想:85.4、6月:85.2)
02:00 米財務省5年債入札(350億ドル)

米連邦公開市場委員会(FOMC)会合(1日目)《KO》

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