2014年上半期の貿易赤字は過去最大の7兆5984億円 財務省発表

2014年7月24日 18:55

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 財務省が24日発表した2014年上半期(1-6月)の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、過去最大の7兆5984億円の赤字となった。自動車などの輸出が伸びたものの、液化天然ガスや原粗油などの化石燃料輸入が、原子力発電運転停止に伴う火力発電の高水準の稼働に伴って増加したためである。

 上半期の主な品目の輸出の内訳は、自動車が前年同期比4.5%、科学光学機器8.2%、プラスチックが7.5%それぞれ増加した。船舶は20.0%減少した。その結果、輸出総額は35兆498億円、前年同期比3.2%増となり、3期連続で増加した。一方輸入は、液化天然ガスが11.6%、原粗油が5.1%、半導体等電子部品が29.4%それぞれ増加した。輸入総額は42兆6482億円、前年同期比10.0%増と、過去最大の輸入額となった。

 地域別では、米国向け輸出が6兆4641億円、前年同期比4.0%と5期連続の増加、輸入は3兆6790億円で12.2%の6期連続の増加となった。差し引き2兆7851億円の赤字で、赤字幅は5期ぶりに減少した。

 EC向け輸出は3兆7013億円、前年同期比12.6%増、輸入は4兆594億円で同12.1%増、差し引き3581億円の赤字で同6.6%増加し、過去最大の赤字となった。

 アジア向け輸出は18兆8019億円で、前年同期比2.3%増、3期連続の増加となった。輸入は18兆9029億円で同11.6%増、9期連続増加した。差し引き1011億円の赤字となり、64期ぶりの赤字となった。

 アジアのうち、とくに中国向けは、輸出が6兆3329億円、輸入が9兆2540億円で、差し引き2兆9211億円と過去最大の赤字を記録した。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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