今日の為替市場ポイント:イエレンFRB議長の見解

2014年7月16日 08:25

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記事提供元:フィスコ


*08:25JST 今日の為替市場ポイント:イエレンFRB議長の見解

昨日15日のドル・円相場は、東京市場では101円53銭から101円65銭で推移。欧米市場では一時101円75銭まで上昇し、101円69銭で取引を終えた。

本日16日のドル・円は、主に101円台後半で推移か。日本時間午前11時に中国の4-6月期国内総生産(GDP)が発表される。市場予想は前年比+7.4%で1-3月期の成長率と同水準となる。中国GDPが予想通りであれば、成長鈍化への懸念は後退し、リスク選好的な円売りが増える可能性がある。

15日に行われたイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言では、「経済の見通しが維持されれば、資産購入策は10月以降の会合で終了する」との見解が示された。10月28日-29日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で量的緩和策の終了が決定されることになりそうだ。

ただし、イエレンFRB議長は、「労働市場に著しいたるみが存続している」と指摘しており、「量的緩和策(QE)終了後も長期にわたり低金利が継続することを予想している」と述べている。市場参加者の間では、低金利=利上げなし(実質ゼロ金利である政策金利の現状維持)と解釈しているようだが、インフレ率が2%前後で推移している場合、政策金利が1%でも低金利とみなされる。

イエレンFRB議長は、「FOMCメンバーは最初の利上げを現在のところ2015年に予想している」と述べたが、大半の市場参加者もそのように予想しているものと思われる。「出口戦略」は年末に発表される見込みであることから、最初の利上げは2015年の1-3月期ではなく4月以降になるとの声が聞かれているが、2015年1月27日-28日のFOMC会合で利上げについて協議し、3月のFOMC会合で利上げを実施する可能性は残されている。《KO》

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