北大、「明るい光+運動」が時差ボケ解消に有効であることを明らかに

2014年7月9日 19:16

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 北海道大学の山仲勇二郎助教らによる研究グループは、明るい光の下で運動をすることで体内時計が調整され、時差ボケ解消に有効であることを明らかにした。

 ヒトは24時間周期の睡眠・覚醒リズムを持っており、体内の生物時計によって調整されている。時差飛行などによて急激に生活リズムを変えると、生物時計の支配から一時的に外れるため時差ボケが起きることが知られている。明るい光を適切に使えば生物時計を目的地の時刻に合わせられることが知られているが、その方法は必ずしも簡単ではなかった。

 今回の研究では、時間隔離実験室で睡眠時間帯を8時間前進させる実験をおこなった。覚醒している時間帯に5,000ルクスの高照度光の下で自転車エルゴメーターをこぐ運動を実施したところ、部屋を明るくしただけで身体運動を行わなかった場合と比較して、生物時計の指標である血中メラトニンリズムが速やかに前進することが明らかになった。

 また、身体運動を行わなかった場合には睡眠の質が大きく低下したのに対して、運動した場合は睡眠の質の低下も防ぐことが出来た。この結果は、明るい光の下で運動をおこなうことで、素早く目的地の時刻に調整されることを示している。

 今回の研究成果は、交代勤務による身体的不調や、リズム障害などの治療・予防に役立つと期待されている。

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