欧米為替見通し:ウクライナ和平協議とマイナス金利導入

2014年6月10日 17:24

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記事提供元:フィスコ


*17:24JST 欧米為替見通し:ウクライナ和平協議とマイナス金利導入

本日10日の欧米市場のドル・円は、ウクライナ東部の紛争の帰趨に警戒しつつ、明日からの欧州中央銀行(ECB)によるマイナス金利実施を受けたユーロ・円の下落で上げ渋る展開が予想される。

ポロシェンコ・ウクライナ大統領と親露武装勢力との和平交渉が続いているが、ガスプロムは、本日の午後9時(現地時間)までにウクライナ政府に対して天然ガス代金の支払いを求めており、ウクライナ政府はロシアの価格提案を拒否していることで、予断を許せない状況が続く。

明日11日付けで、欧州中央銀行(ECB)の中銀預金金利と超過準備部分など当座預金の金利が-0.10%に引き下げられる。

先週のデータでは、中銀預金金利適用範囲が約200億ユーロ、超過準備部分が約1000億ユーロだったことで、1200億ユーロ(@140円=約17兆円)が、マイナス金利預金から引き出されることになる。

また、証券市場プログラム(SMP)の不胎化措置が停止されることで、約1600億ユーロが「胎化」されることになる。そして、今後、「ターゲット長期資金供給オペ(LTRO)」として、約4000億ユーロが供給されるが、合計で6800億ユーロに過ぎず、欧州中央銀行(ECB)が打ち出してきた長期資金供給オペ(LTRO)による1兆ユーロのバズーカ砲には及ばないことになる。

中国人民銀行は、ドル買い・人民元売り介入で約4兆ドルの外貨準備を積み上げてきたが、米国債はベルギーに移管しつつあり、米ドル建て資産もユーロ建て資産へ移管してきたが、今後の対応に注目することになる。

【今日の欧米市場の予定】

17:30 英・4月鉱工業生産(前月比予想:+0.4%、3月:-0.1%)
23:00 米・4月卸売在庫(前月比予想:+0.5%、3月:+1.1%)《KO》

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