筑波大、W杯ブラジル大会で使用するボール「ブラズーカ」は安定性が高いことを明らかに

2014年5月31日 20:53

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今回の研究で利用されたキックロボット実験装置

今回の研究で利用されたキックロボット実験装置[写真拡大]

  • 筑波大学の浅井武教授

 筑波大学の洪性賛研究員と浅井武教授らによる研究グループは、サッカーワールドカップブラジル大会で使用される予定のボール「ブラズーカ」は、これまでのものと比べて中速領域の空気抵抗が小さく、低回転で飛翔した際のブレが少ないことを科学的に明らかにした。

 サッカーボールは、元々、五角形と六角形のパネル32枚で構成されていたが、近年14枚・8枚・6枚などで構成される新しいボールが開発されてきた。しかし、これらのボールの飛翔軌道や空力特性についてはほとんど調べられていなかった。

 今回の研究では、ブラジル大会で使用予定でパネル6枚から構成される「ブラズーカ」をそれ以外のボールと比較したところ、風速25m/s以下の中速領域(パスやロングキックくらい)で空気抵抗が小さくなることが分かった。

 さらに、風速30m/s・無回転条件では、ブラズーカは軌道のブレが小さく安定して飛ぶことや、ボールを置く向きよりもボールを構成するパネル枚数の方がブレに大きな影響を与えることを明らかにした。

 この研究成果は、新しいサッカーボール開発に活かすことが期待されている。

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