丸紅、茅野市の小水力発電所稼働で竣工式

2014年5月26日 17:15

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 丸紅は26日、100%子会社の三峰川(みぶがわ)電力による蓼科第二発電所(長野県茅野市、出力141kW)の商業運転開始に伴う竣工式を行った。

 この発電所は、茅野市の滝之湯堰土地改良区の農業用水路に設置した小水力発電所で、2013年12月に完成し、14年1月から運転を始めた。発電量は、一般家庭約270世帯分の年間消費量に相当する。三峰電力には、同一水系に蓼科発電所(11年6月運転開始、同260kW)があり、第二発電所と合わせメンテナンスの効率化などの相乗効果が期待できるとしている。

 小水力発電所は、国内における大規模水力発電所の立地可能地点が近年減少する一方、ダム建設などによる環境破壊がないことから、新たに期待される水力発電形態となっている。そのため国も、中小河川や農業用水路を利用した小水力発電所建設を、再生可能エネルギーの一つとしてあと押ししている。

 とくに東日本大震災以降、国内のエネルギー需給がひっ迫し、再生可能エネルギーの導入・拡大が急がれたことから、国は12年7月から再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度を実施した。同制度は、太陽光発電や風力発電、さらには小水力発電などの再生可能エネルギーの導入を支援する目的で、ここ数年同制度を活用した再生可能エネルギー事業が増えている。

 丸紅は06年から小水力発電に取り組み、これまでに三峰川(長野県伊那市、2カ所)、蓼科(長野県茅野市、1カ所)、北杜(山梨県北杜市、3カ所)の計6カ所で発電を行っている。同社は今後、20年までに国内30カ所程度で中・小水力発電の開発を行うことにしている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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