相場地合い好転で日経平均1万5000円の可能性も、証券営業体にもヤル気=犬丸正寛相場展望

2014年5月24日 19:55

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

  5月最終となる今週(25~30日)は、相場地合いの好転を映して堅調な展開が予想される。6月の新成長戦略を期待してテーマに沿う銘柄で、かつ2015年3月期の好調が見通せる銘柄に対する物色が続きそうだ。ただ、高値圏にあるNYダウについては利益確定売りで反落の可能性があることは注意しておきたい。

  前週の日経平均は、週末にかけて、日足チャートは3本連続の陽線となり、東証1部売買代金が22日、23日には各1.9兆円、1.8兆円とそれまでの1.5兆円程度から僅かながら増加に転じた。また、同1部の出来高についても22日、23日と2日連続で20億株を上回り、マーケットに買い意欲の台頭がみられた。

  「これまで、弱気筋が多かった中で、とくに、株で生計を立てている人は、3月期決算を見極めたい気持ちから見送っていたが、15年3月期のメドがあるていどついたことから見通しの良い銘柄を物色する機運となっている。また、単月収支で赤字となった証券会社も数多くあるようで、証券会社の営業体にも稼がなくては、という雰囲気も高まっているようだ。今年の夏相場は例年と違って、意外に強いのではないか」(某株式評論家)。

  ひところに比べ、マーケットに明るさが戻りつつあるといえる。

  もっとも、売買代金2兆円前後と限られた流入資金では、値ガサ株から中低株まで目まぐるしい物色が続いているし、これからも続きそうである。とくに、1部上場で好業績の100円台銘柄には10万株単位での2~3円幅を稼ぐ、「1カイ2ヤリ」的な展開となっている。

  NYダウは3日続伸、週末は1万6613ドルと、去る、5月13日につけた最高値1万6735ドルに対し約120ドルと接近している。景気は堅調なものの、ウクライナ、タイ、ベトナム、中国、北朝鮮問題など、特に東南アジアをめぐる情勢は非常に不安定で、NYダウ調整の材料となる可能性はありそうだ。

  日経平均ベースの予想1株利益は直近では1046円と上向いていることから、5月上旬頃に出ていた2015年3月期に対する悲観的な見方はやや後退しマーケット人気好転につながっている。

  6月にはカジノ構想など新成長戦略が控えていることもあって期待人気から、日経平均は1万5000円に乗せる可能性もありそうだ。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

【関連記事・情報】
【木村隆のマーケット&銘柄観察】信越化学工業は、高値奪回目指す位置取りの強さに注目(2014/05/20)
【株式評論家・海老原紀雄の相場展望】日経平均1万5000円第乗せが本格相場の条件、第3の矢に注目(2014/05/15)
【木村隆のマーケット&銘柄観察】ファルテックは足元も中期も好業績が継続、割安さは行き過ぎ(2014/05/15)
【編集長の視点】APCは連続の最高純益更新を手掛かりに割安株買いが再燃し急反発(2014/05/14)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事