名古屋大、アルツハイマー病関連分子の脳内分布を明らかに 発症機構の解明に期待

2014年5月21日 20:58

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アルツハイマー病関連分子であるアミロイドβの脳内の3次元分布を示したもの(名古屋大学の発表資料より)

アルツハイマー病関連分子であるアミロイドβの脳内の3次元分布を示したもの(名古屋大学の発表資料より)[写真拡大]

 名古屋大学の澤田誠教授らによる研究グループは、体内の質量分布を可視化できる新しい分析方法を開発し、アルツハイマー病関連分子であるアミロイドβの脳内3次元分布を世界で初めて明らかにした。発症メカニズムの解明や治療薬の開発に貢献できるという。

 ある物質がどの位置にどの程度存在しているのかを測定する質量分析イメージングは、医療や食品開発など、様々な分野で必要とされている技術であるが、これまでは高価な装置がなければ測定できなかった。

 今回、澤田教授らは、熱溶解性フィルムによって位置を再構成できる新しい解析方法を確立し、既に広く普及している質量分析装置を活用して質量分析イメージングできる技術を開発した。

 さらに、この技術によってアルツハイマーに罹ったマウスの脳を測定したところ、アミロイドβの単量体と2量体の3次元分布が異なることが世界で初めて分かった。

 今後は、さらに詳細な観察を実施することで、アルツハイマー病の発祥メカニズム解明や予防・治療に役つことが期待される。

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