ソニー、カナダ最大の電力会社と蓄電池技術開発の合弁会社設立

2014年4月17日 20:26

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 ソニーは16日、カナダ最大の電力会社であるハイドロ・ケベックと、電力系統用の大規模蓄電池システム開発の合弁会社設立で合意したと発表した。新会社は6月に発足の予定である。

 電力系統用の大規模蓄電池システムは、ここ数年、各国で開発が進んでいるスマートグリッド(ITを活用して電力需給を最適化するシステム)の重要な構成技術の一つとして普及が急がれている。特に、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー電力の普及が進むと、出力の不安定さを解消するとともに、出力に応じて電力を蓄える技術が不可欠となる。

 蓄電池は自動車のバッテリーや非常用電源など小型のシステムは普及しているものの、電力系統に用いられる大規模な蓄電池システムは、各国でも開発途上の段階にある。特に、電力系統の場合、大容量の電力を効率的に、しかも安定供給することが重要となるため、その技術には、高い安全性と信頼性が課題となる。

 今回、設立される新会社は、ソニーの持つ安全性・信頼性の高いリチウムイオン電池技術および拡張性の高い蓄電モジュール・システム制御技術と、ハイドロ・ケベックの電力系統用運用・制御技術および電池材料技術を組み合わせることで、大規模な蓄電池システムの開発につなげる。

 新会社はまた、蓄電池システムの開発によって、変電所における電力ピーク対策や再生可能エネルギーの系統への連系など、今後見込まれるさまざまな用途への有効性の検証を行うことにしている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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