東電、2回目の火力電源の入札募集 原発代替で

2014年4月14日 19:00

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 東京電力は11日、600万kWの火力電源の建設・運営者の入札募集を実施すると発表した。今回の募集は、平成24年度の入札に次ぐ2回目の募集で、6月下旬から受付を開始、12月締切の予定である。落札者の決定は来年3月の見込み。

 同社は、原子力発電の再稼働を見通せない中で、老朽火力のフル操業を余儀なくされている。そのため、中長期的には火力発電所の建て替えや増設による供給力の確保が課題となっている。

 平成24年度に実施した火力電源の入札規模は260万kWだったが、上限価格が低すぎたため、68万kW分しか確保できなかった。そのため、今回の入札では、前回の未達分192万kWに加え、新・総合特別事業計画(政府と東電による福島復興と同社の再建を図る計画)で予定されている1000万kW規模の火力発電所リプレースに対応した設備の一部を併せた規模とした。

 上限価格に関しては、低い価格設定だと燃料費の安い石炭火力が有利となる半面、CO2排出など環境面で問題が残る。そのため、今回は上限を設けず、非公表とするとともに、建設費の物価・金利変動に対する補正の採用や、燃料指標として米国のシェールガス(天然ガスの一種)の選択を可能とするなど、募集条件を見直すことにした。

 シェールガスは、国内火力で多く使用されている輸入LNG(液化天然ガス)に比べ価格が大幅に安く、応札に際して現在のシェールガス価格で発電コストを計算できる。そのため、石炭火力と競争しやすくなるなど、応札条件の緩和によって、応札企業が増えることが期待されている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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