欧米為替見通し:G-20会議に落ちるナイフ

2014年4月11日 17:24

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記事提供元:フィスコ


*17:24JST 欧米為替見通し:G-20会議に落ちるナイフ

本日11日の欧米市場のドル・円は、ニューヨーク株式市場の動向、G-20財務相・中央銀行総裁会議での「5年間2%成長」目標達成措置、ウクライナ情勢への対応策を見極める展開となる。

ドル・円のテクニカル分析では、今年の高値105円45銭と安値100円76銭の半値である103円10銭が一目均衡表の雲の上限(先行スパン2)で攻防の分岐点となっており、雲の下で推移している現状は、売りの時代となる。

ウォール街の相場格言「落ちてくるナイフは掴むな、床に突き刺さったナイフを拾え」に従うと、ニューヨーク株式市場が下げ止まるまで待つ展開となる。

ニューヨーク株式市場の下落要因は、流動性供給の減少懸念にある。米国連邦準備理事会(FRB)は、米国の景況感が悪化しない限り、毎回の連邦公開市場委員会(FOMC)で100億ドルのテーパリング(量的緩和縮小)を示唆しており、中期的な流動性供給は確実に減少していく。

また、米国の金融機関に対する資本規制強化が導入され、超高速取引への規制も強化される可能性が高まっていることで、短期的な流動性供給も減少していく。

米国市場での流動性供給を補完するのは、日本銀行と中国人民銀行による流動性供給だが、黒田日銀総裁は「追加緩和は考えていない」と述べ、異次元の量的・質的金融緩和「第1弾」での流動性供給を続けることを表明し、中国人民銀行副総裁は「中国政府と中国人民銀行は、景気刺激策について非常に慎重になるべき」と表明しており、失望売りを誘っている。

G-20財務相・中央銀行総裁会議では、「5年間2%成長」目標達成の措置を期待して、ナイフを掴むタイミングを見極めることになる。

【今日の欧米市場の予定】

21:30 米・3月生産者物価指数(前年比予想:+1.1%、2月:+0.9%)
22:55 米・4月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:81.0、3月80.0)
02:30 G20財務相・中銀総裁会議
07:00 ルー米財務長官会見

世界銀行・IMF春季会合(ワシントン、13日まで)《KO》

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