【アナリスト水田雅展の銘柄分析】IMVはエコカー・防災関連のテーマ性も支援材料で上値追い

2014年4月7日 09:24

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

  振動試験・計測装置のIMV <7760> (JQS)の株価は13年7月の高値を突破して上伸している。目先的には過熱感もあるが、エコカー関連や防災・減災関連などのテーマ性も支援材料であり、好業績を評価して自律調整を挟みながら上値追いの展開だろう。

  振動に係る試験・計測装置や振動問題に対するコンサルティングなど、総合環境シミュレーション業界のリーディングカンパニーである。振動シミュレーションシステム(振動試験装置)のDSS事業を主力として、メジャリングシステム(振動計測装置、振動監視装置、地震監視装置)のMES事業、テスト&ソリューションサービス(振動試験受託)のTSS事業を展開している。

  12年12月に新製品の無線型振動計測装置「カードバイブロAir2」を発売し、大手計装システムメーカーと安全計装(監視システム)関連の共同開発も進めている。海外展開も強化している。DSS事業では13年2月にIMVヨーロッパ(英国)を設立し、13年5月に中国・上海の駐在員事務所を開設した。MES事業では地震頻度の高いフィリピンやトルコへ進出する。

  今期(14年9月期)連結業績見通し(11月13日公表)は売上高が前期比14.4%増の70億円、営業利益が同8.1%増の7億円、経常利益が同3.6%減の7億円、純利益が同4.2%減の4億30百万円としている。自動車・宇宙航空関連を中心として受注が好調に推移し、名古屋ラボへの大型試験装置設置も寄与する。増収効果で海外展開強化に伴う人件費増加、研究開発費増加、減価償却費増加などを吸収して営業増益見込みだ。品目別売上高の計画を見るとDSS事業は同17.9%増収、MES事業は同4.2%増収、TSS事業は同10.1%増収としている。

  第1四半期(10月~12月)は、DSS事業で多軸振動シミュレーションシステムの大型案件が少なかったことなどで減収営業減益だったが、通期見通しに対する進捗率は売上高が25.2%、営業利益が48.6%、経常利益が53.3%、純利益が53.3%と高水準である。上期の構成比が高い収益構造であることを考慮しても、通期上振れの可能性があるだろう。

  株価の動きを見ると、2月7日301円を直近ボトムとして急反発の展開となった。3月28日に430円を付けて1月戻り高値409円を突破し、3月31日には450円を付けて13年7月高値438円を一気に突破した。さらに4月4日には前日比43円(10.07%)高の470円まで上伸する場面があった。高値を突破して上げ足に弾みがついたようだ。

  4月4日の終値466円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS26円31銭で算出)は17~18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS188円83銭で算出)は2.5倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が20%程度まで拡大して目先的な過熱感を強めているが、週足チャートで見ると13年7月高値を突破して強基調への転換を確認した形だ。13週移動平均線がサポートラインとなり、過熱感を冷ますための自律調整を挟みながら上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【木村隆のマーケット&銘柄観察】ジェイエスエスは東京オリンピック開催の追い風取り込む(2013/04/01)
【村山貢司の気象&経済歳時記】佐賀銀行にみる地方金融機関の役割(2013/04/01)
【編集長の視点】トーソーは安値から3連騰、純益下方修正を織り込み下げ過ぎ訂正買いが増勢(2013/04/01)
【木村隆のマーケット&銘柄観察】日本アクアは建築物向け断熱施工を強化、新たな成長ステージへ(2013/04/01)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事