過酷なモータースポーツでADAS(次世代運転者支援システム)の実装実験を行なう、フリースケール

2014年2月21日 09:20

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記事提供元:エコノミックニュース

フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは今年もチーム「apr/OGT Racing」をスポンサードしてSUPER GTシリーズの「GT300」クラスに参戦する

フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは今年もチーム「apr/OGT Racing」をスポンサードしてSUPER GTシリーズの「GT300」クラスに参戦する[写真拡大]

 米半導体メーカーの日本法人、フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは今年もチーム「apr/OGT Racing」をスポンサードしてSUPER GTシリーズの「GT300」クラスに参戦する。今期の参戦車両はトヨタ・プリウスGTで、現在エー・ピー・アールでレース車両を鋭意制作中だという。

 エー・ピー・アールの専務でありチーム監督でもある金曽裕人氏によると、「レースに投入するのは、トヨタ・ハイブリッド先行開発部隊が研究している次期プリウスのハイブリッド先行車両。現在、車両の軽量化(100kgのダイエット)を含めて、サスペンションやパワーユニットを当社で改良している。3月14日のシェイクダウン&テスト走行で『OGT Pnasonic PRIUS』としてお見せできる。今期、我々は全8戦、すべて優勝するつもりで臨む」と語った。

 フリースケール・ジャパンの社長ディビッドM・ユーゼ氏は、「私たちがレーシングチームをスポンサードするようになって、フリースケールというブランドの認知度が上がった。レースに参加する以前の調査では、昔の “モトローラ”は知っていても、フリースケールは知らない人がほとんどだった。しかし、昨年あたりから変わってきたね」という。

 昨年までにレース活動においてフリースケールは、さまざまな実験を試みてきた。スピード、エンジン回転数、ハンドル舵角、車両姿勢(傾き)などの車両情報を瞬時に収集。走行中や駐車中の車両周辺情報をアラウンドビュー・カメラで探知。加えてドライバーの発汗や心電、筋電などを取得し、モーション・センサにより筋肉の動きなどを計測してきた。そのデータを転送・解析することで、有効なデータに加工することができることを実証した。

 2014年はこれまでの実験成果を発展させ、車両とガレージを無線通信でつなぎ車両の自己診断と情報をフィードバックする機能を追加した「Intelligent Garage」のシステムを構築する予定だ。「Intelligent Garage」は走行中に取得した車両情報や運転者情報をガレージのサーバに転送し、データを解析。そしてそれぞれ関係各所へフィードバックする。

 この情報を活かすことが近い将来、カメラ監視による盗難防止、走行情報の蓄積・分析により、運転者に合わせたエコドライブの提案。さらにオイル漏れやタイヤ空気圧の減少など車両における異常を検知し故障を未然に防ぐ、あるいは最小限に抑えるようなサービスに発展すると期待している。

 フリースケールは、騒音、加重、高熱、過度の電気信号障害などで、一般車よりはるかに過酷なモータースポーツにおける予測安全と運転支援、非常時の対応を含むADAS(アドバンス・ドライバー・アシスト・システム/次世代運転者支援システム)の実装実験を行っている。これらの実験によって、Internet of thingsへの発展、医療機関、ディーラー、車検、保険会社、ヘルスケア市場などで新しいビジネスが創出するという。(編集担当:吉田恒)

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