欧米為替見通し: 2羽のタカの弁明

2014年1月14日 17:04

印刷

記事提供元:フィスコ


*17:04JST 欧米為替見通し: 2羽のタカの弁明

本日14日の欧米市場のドル・円は、今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ2名のタカ派メンバーによる米国12月の雇用統計の解釈と、28-29日の連邦公開市場委員会(FOMC)のテーパリング(量的緩和縮小)に関する見解を見極めることになる。

ドル・円は、今月2日に105円45銭まで上昇し、フィボナッチ・リトレースメント61.8%戻し(124円14銭-75円32銭)の105円49銭を達成しており、ダブルトップ(105円45銭・105円42銭)の完成により、反落の可能性(目標値102円40銭-101円)が高まりつつある。

米国12月の失業率が6.7%まで低下した要因は、12月の雇用統計の調査対象週である12月12日週の悪天候での就業不能者(27.3万人)による労働参加率の低下(62.8%)となる。また、非農業部門雇用者数が前月比+7.4万人に留まった要因も、大寒波の影響によるものである。

米国12月の雇用関連の経済指標は、2つだけが悪化、7つは改善しており、労働省が発表した雇用統計は、12月12日週の寒波という特殊要因によるもので雇用情勢が悪化したわけではないことで、28-29日の連邦公開市場委員会(FOMC)でも100億ドルのテーパリング(量的緩和縮小)が継続するとの見方もある。

あるいは、データの集計が70%程度の速報値では悪化していたものの、2月に発表される改定値、3月に発表される確報値の段階では、確報値との整合性を目指しているADP雇用統計に近い数字となる見方もある。

今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ2名のタカ派、フィッシャー米ダラス地区連銀総裁とプロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁の見解に注目する展開となる。

【今日の欧米市場の予定】

18:30 英・12月消費者物価指数(前年比予想:+2.1%、11月:+2.1%)
18:30 英・12月生産者物価指数・産出(前年比予想:+1.0%、11月:+0.8%)
19:00 ユーロ圏・11月鉱工業生産(前月比予想:+1.4%、10月:-1.1%)
22:30 米・12月小売売上高(前月比予想:+0.1%、11月:+0.7%)
22:30 米・12月輸入物価(前月比予想:+0.3%、11月:-0.6%)
24:00 米・11月企業在庫(前月比予想:+0.3%、10月:+0.7%)
02:45 プロッサー米フィラデルフィア連銀総裁講演(経済見通し)
03:20 フィッシャー米ダラス連銀総裁講演(地域経済見通し)《KO》

関連記事