為替週間見通し:米国の財政改革協議を見極める展開

2013年12月7日 17:13

印刷

記事提供元:フィスコ


*17:13JST 為替週間見通し:米国の財政改革協議を見極める展開
■ドル・円は堅調推移、11月の米雇用統計内容を好感してドル買い再開

ドル・円は反転、上昇。6日発表の11月の米雇用統計が予想以上に強い内容だったことから、12月17-18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で資産購入プログラム縮小観測が高まり、ドルは102円台後半まで戻した。日本銀行による追加緩和観測が高まったことで一時103円38銭まで上昇したものの、日米株式市場が反落したことで、リスク回避の円買い圧力が高まり、ドルは一時101円63銭まで売られる場面があった。取引レンジは、101円63銭から103円38銭となった。

■米国の財政改革協議を見極める展開

今後のドル・円は、12月17-18日の連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリング(量的緩和縮小)の必要条件でもある米国議会超党派議員による財政改革協議の進展を見極める展開が予想される。現時点では協議進展への期待がやや高まっており、ドルに対する支援材料になるとみられている。

■米国連邦準備理事会(FRB)高官の発言 (9日)

17-18日の連邦公開市場委員会(FOMC) でのテーパリング(量的緩和縮小)の可能性を見極めるため、ブラックアウト期間前の9日が最後の米国連邦準備理事会(FRB)高官による発言日となる。フィッシャー米ダラス地区連銀総裁(2014年投票権:タカ派)、ブラード米セントルイス地区連銀総裁(2013年投票権:ハト派)、ラッカー米リッチモンド地区連銀総裁(2015年投票権:タカ派)の発言に要注目か。

■米国ヘッジファンドと米国企業の決算

米系ヘッジファンドは、年末に向けた米国企業の利益送金、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリング(量的緩和縮小)への思惑から、99円付近を行使価格、103円台から106円までを消滅条件(ノックアウト)とするドルコールオプションに取り組んでおり、オプション・トリガー(103円)の攻防戦に警戒する展開となる。12月末決算の米国企業は、利益送金のドル買いとなるリパトリ(円建て資産売却・ドル買い)圧力を強めている。

■極東の地政学的リスク

北朝鮮の改革穏健派の張国防委員会副委員長が失脚したとの情報を受けて、強硬派の台頭により、朝鮮半島の地政学的リスクが高まることになる。中国が尖閣諸島を含むエリアに防空識別圏を設定したことは、強硬派主導との警戒感が高まっており、東シナ海の地政学的リスクが高まりつつある。極東の地政学的リスクへの警戒感は、東京株式市場の売り要因、円売り要因となる。

■米国議会超党派議員による財政改革協議(13日)

米国議会超党派議員による財政改革協議は、合意に近づいたと報じられている。合意した場合、米国政府機関が閉鎖される可能性が無くなり、連邦政府債務上限引き上げに関する懸念も払拭されることで、ドル買い要因となる。

主な発表予定は、9日(月):(日)7-9月期実質国内総生産改定値、11日(水):(日)10月機械受注、(米)11月財政収支、12日(木):(米)11月輸入物価指数


[予想レンジ]
・ドル・円100円00銭-105円00銭《FA》

関連記事