日産、6台のEVからビルに給電する実証実験 夏期に電力2.5%を削減

2013年11月29日 17:48

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日産自動車は29日、電気自動車(EV)「日産リーフ」複数台から建物に電力を給電するシステム「Vehicle to Building」の実証実験の経過を発表した。

日産自動車は29日、電気自動車(EV)「日産リーフ」複数台から建物に電力を給電するシステム「Vehicle to Building」の実証実験の経過を発表した。[写真拡大]

 日産自動車は29日、電気自動車(EV)「日産リーフ」複数台から建物に電力を給電するシステム「Vehicle to Building」の実証実験の経過を発表した。同システムによって、夏期の消費電力を約2.5%削減する結果が得られているという。

 同社が開発した「Vehicle to Building」は、複数の「日産リーフ」を同時に接続し、オフィスビルやマンションなどの建物に電力を給電するシステム。

 同社が家庭用に販売する「LEAF To Home」では、「日産リーフ」からの電力をPCS(Power Control System)を介して単相200Vで家庭へ供給しているが、今回の「Vehicle to Building」では、最大6台の「日産リーフ」を同時に接続し、3相200Vでビルの配電盤へ電力を供給することで、より多くの電気を効率的に流すことが出来るという。

 大口の電力を使用するオフィスビルやマンションでは、ピーク電力に応じて電力料金が決められているが、Vehicle to Buildingでは、電力需要がピークになる前に「日産リーフ」から給電することで、ピーク時の電力消費をカットし、電力料金を削減する。

 7月から先進技術開発センターで行っている実証実験では、従業員の通勤用「日産リーフ」6台を使用し、電力需要の少ない時間帯は「日産リーフ」へ充電し、電力需要の多い時間帯(13-16時)には「日産リーフ」からビルへ電力供給した。

 この結果、夏期の電力ピークを最大25.6kW押し下げることができたという。これは、ピーク時の電力の約2.5%を削減したことになり、年間約50万円の電力料金低減効果に相当するという。

 同社は今後、同システムの運用面での課題を更に洗い出し、社外での実証実験へと繋げていく予定としている。

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